モーターの故障対策とメンテナンス
1.モーターの故障対策とメンテナンスの概要
モーターに故障が発生すると、時間、費用、社会的信用など多大な不利益が生じます。そのため、安心して運用するためには、モーターの計画的なメンテナンスを実施し、故障予防、保全を図ることが重要です。
故障率は初期に大きく、徐々に低下して一定値となり、寿命が近づくと摩耗・疲労・劣化などで急激に上昇します。以下は故障と保全の分類の一例です。
<モーター故障の種類>
初期故障 | 偶発故障 | 劣化故障 |
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使い始めた初期に発生する故障で、主な原因はメーカーの設計不適合によるものです。 | 突然発生する故障で、事前の点検や監視などでは余地が不可能です。そのため、幅広いデータ収集ときめ細かな解析が必要になってきます。 | 摩耗・疲労・劣化などが原因となり発生する故障です。使用期間が長くなるにつれ発生率が上がりますが、予知保全で対処できます。 |
<モーター保全の種類>
定期保全 | 事後保全 | 予知保全 |
---|---|---|
定められた時間計画に従って、システムや装置の点検、掃除、あるいは取り替えなどを行うことです。異常の全てを発見するのは難しいです。3ヶ月に1回や半年に1回など定期的に実施されます。 | 設備やシステムに故障が発生した後に対策をとり、現状に復帰させることです。直ちに修理するだけではなく、故障原因をつきとめ、同じ故障が2度と発生しないように処置することも含みます。 | 設備やシステムのトラブル発生を未然に防止することです。現場で最も重要視される保全です。故障や劣化による損失低減が大きい場合は、予知保全を採用し防止します。 |
2.モーターのメンテナンスについて
モーターの性能が向上するにつれ高出力になってきましたが、高出力になればなるほどモーターも劣化しやすくなるため、同時にメンテナンスの重要性が増しています。メンテナンスの際には、モーターの故障例に応じた早めの対策が重要になります。
<モーターの故障例>
- 回転速度が遅い
- 電力消費量が多い
- 異常に振動している
- 発熱している
- 異常な騒音がするなど
<モーター故障に対する対策例>
振動不良 | コントローラーの再調整・交換など |
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騒音 | ブラシ交換、軸受交換、清掃、取付け状態のチェックなど |
回転異常 | モーターの交換、軸受交換、負荷点検、ブラシ周りの清掃など |
回転しない | コントローラーの再調整、回路のチェック、モーターの交換、負荷点検、軸受交換、ブレーキ回路のチェックなど |
モーターの機能を低下させることなく、定期検査と保全を施しながら故障発生を予防し、モーターの機能を最後まで使い切ることが重要となります。
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