モーターの騒音・振動対策

1.モーターの騒音・振動対策の概要

モーターの歴史は古く、その間に様々な技術改良がなされてきました。しかし、今日でも技術上の問題点はいくつか残されており、その一つとして、騒音・振動の問題があります。特に近年では、環境問題への関心の高まりから、モーターの騒音低減が強く求められるようになりました。

<モーターの騒音の分類>

電磁騒音 痛風騒音 機械騒音

<電磁騒音について>

モーターの騒音の中でも電磁騒音は耳障りな音として、近年特に問題視されています。電磁音が発生する要因となる加振力は、固定子鉄心と回転子鉄心に働く電磁力であり、その電磁力が固定子鉄心を振動させ、フレームから騒音を放射しています。

<解決のために>

モーターの騒音・振動の発生は、ほとんどの場合、設計時には予測していないため、その対策に苦労し、解決に時間がかかる場合が多いです。しかし、過去の事例と照らし合わせることにより、設計時にフィードバックできること、発生時に解決できるものも決して少なくありません。

2.モーターの構成部品と振動・騒音

モーターの構成部品についてみると、小型化・軽量化による固定子鉄心の剛性の低下により、電磁振動が大きくなる傾向があります。

そのため電磁振動の増大を回避するためには、固定子鉄心の固有振動数と電磁力周波数を一致させないことが重要となります。固定子振動数をよく理解し、精度よく予測できれば、騒音を効果的に低減することができます。

3.ファンの騒音

モーター騒音の中で特に大きなものに、冷却用のファン騒音があります。多くの場合、ファンの騒音はモーター全体の騒音レベルを左右するほど大きいものなので、モーターの騒音対策にとっては重要になります。

モーターファンは、一般的に両方向に回転運転しますが、ファンの羽根は半径方向に向かう直線羽根(ラジアルファン)を用いることから冷却効率が低く、しかも騒音は大きくなります。

ファン騒音には、回転数fと羽根枚数zの積とする回転音fzと風の流れが乱れることで発生する乱流音があります。

4.軸受の騒音・振動

モーターの機械要素のうちで、設備保全上もっとも問題が多くなるのは、軸受の振動・騒音です。軸受はあらゆる部分で回転運動を支えているきわめて重要な要素であり、モーターにとって、軸受が信頼性を担っていると言っても過言ではありません。

また、軸受は振動することによって、フレームも振動し騒音を拡大します。したがって、その発生原理をよく理解し、正しく診断・保守することが騒音対策には重要です。

▽続きはこちら
書籍『モータの騒音・振動と対策設計法』