EV充電(給電)方式の種類

1.充電方式の種類

  • 接触充電システム(コンダクティブ充電)
  • 非接触充電システム(インダクティブ充電、ワイヤレス給電)
  • 電池交換

電気自動車(EV)用バッテリーの充電方式には、接触充電システム(コンダクティブ充電)、非接触充電システム(インダクティブ充電、ワイヤレス給電)、電池交換の3種類があります。

現在、それぞれの方式に関する国際規格案の審議が行われていますが、現状ではコンダクティブ充電が主流となっています。

2.コンダクティブ充電器(conductive charger)

コンダクティブ充電器とは、以前から使用されてきた方式の充電器です。電気自動車(EV)に充電電力を供給する充電コネクターに、銅などの銅電体の金属と、金属の接触により電力を伝える方式の充電器のことです。

実用化の容易さとコストの面などから、普通充電方式として、現在主流となっている充電方式です。ピンとスリーブで結合するピンスリーブ方式や、電気のリレー接点のように突き当てて接触させるバット方式など、いくつかの種類が実用化されています。

※コンダクティブとは
英語で「伝導(性)の」などを意味する形容詞です。物体の中を電気が伝わる現象を示しています。
※充電コネクターとは
電気自動車(EV)に充電する充電器用の接続器具のことを言います。電気自動車(EV)に電力を供給する側の接続器具、充電プラグと、電気自動車側の接続器具、充電インレットから構成されています。

3.インダクティブ充電器(inductive charger)

インダクティブ充電器とは、接触充電システム(コンダクティブ充電)に対し、外部の充電器から電磁誘導で電力を供給する充電器のことです。

非接触充電システムトランスのように電磁誘導を利用して非接触でエネルギーの伝達を行う充電器のことであり、金属接点を持たないため、取り扱い自体が簡単といったメリットがありますが、専用の充電器が必要となるため、普通充電方式としては、現在あまり使われていません。

4.ワイヤレス給電

ワイヤレス給電とは、インダクティブ充電と同様の非接触充電システムの一つです。電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界結合方式、電波受信方式などがあります。

この中で、磁界共鳴方式とは、送電側と充電側の共振器を磁界共鳴させて、電力を電送する方式のことであり、現在、電気自動車(EV)用としての開発が進められています。効率性の向上など、課題もまだまだ多いですが、将来的には充電システムとして使用されるのではないかと予測されています。

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書籍『電界磁界結合型ワイヤレス給電技術』『ワイヤレス給電技術』