バッテリー(電池)の種類

1.バッテリー(電池)の種類

  • 鉛蓄電池
  • リチウムイオン電池
  • ニッケル水素電池
  • ニッケルカドミウム電池
  • 全固体電池など

現在、車載用として利用されているバッテリーは、主に鉛蓄電池とリチウムイオン電池です。また、将来的には全固体電池が利用され、リチウムイオン電池に取って代わるとみられています。

2.鉛蓄電池

鉛蓄電池は最初に開発された二次電池であり、正極に二酸化鉛、負極に鉛、電解液に希硫酸が用いられています。充放電を繰り返すと負極の金属に硫酸鉛の硬い結晶が発生しやすくなります。

そのため、鉛電池は使用を繰り返すことにより性能が劣化し、寿命が低下していきますが、安価で信頼性も高いため、現在においても広く使用されています。

<用途>

自動車、船舶、小型飛行機のバッテリー、通信・防犯機器や施設等の非常用電源、フォークリフトやAGV(自動搬送車)などに使用されています。

3.リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、1991年から実用化が開始されました。それまでの電池に比べ、軽量で大容量のため、二次電池の主流になっています。

正極にリチウム含有金属酸化物、負極にグラファイトなどの炭素材、電解液に有機電解液が用いられています。充放電を行っても電極の金属は化学反応を起こさないため、劣化が少なく長持ちします。

またリチウムイオン電池は、鉛蓄電池に比べて電池の1セル(電池の最小単位)から得られる電圧が大きいため、同じ電流が流れた場合より高い電圧が得られるという特徴があります。またエネルギー密度も高いです。

<用途>

リチウムイオン電池は、携帯電話、ノートパソコン、携帯用音楽プレイヤーなどのモバイル機器のバッテリーとして利用されているのはもちろんのこと、電気自動車(EV)においても使用されています。

4.全固体電池

<特徴>

全固体電池は現在開発が進められている電池で、まだ本格的な実用化には至っていません。リチウムイオン電池と似ていますが、電解液が使用されていないことが大きな違いです。
長所として、安全性が高い、作動温度範囲が広い、設計の自由度が高い、劣化しにくい、生産性が高いことなどが挙げられます。

<電池としての安全性>

リチウムイオン電池の発火事故が注目されるようになり、電池の安全性への要求が高まっています。
全固体電池では電解液を使用しないため、発火の危険性がリチウムイオン電池よりも低く、より安全性が求められる現代において、各分野での実用化が進められています。

5.詳細