- モーターの解析 -磁気回路法とは

1.磁気回路法の概要

磁気回路法は、電気等価回路法、有限要素法と並ぶモーターの解析手法の一つです。
電気回路では、起電力や抵抗を用いて電流について考えますが、磁気回路法では、起磁力と磁束を電気回路における電圧と電流の関係と同様に扱うことによって、機器内部の磁気現象を巨視的に解析することができます。

歴史は古いですが、電磁機器の大略的な解析設計に便利な手法として現在も利用されています。

※磁気回路
磁気回路とは、磁束が通る回路のことです。磁束の集中する強磁性体を組み合わせて作ります。鉄芯にコイルを作り、電流を流すと鉄芯内に磁束が通ります。
起磁力に起電力、磁束に電流、磁気抵抗に電気抵抗を対応させると、それらの関係はオームの法則に相当し、磁気回路を電気回路と同じように扱うことができるようになるため、計算等を行うことができます。

2.磁気回路法の特徴

<磁気回路法のメリット>

磁気回路法では、以下のようなメリットがあります。

  1. 磁気デバイスが電圧源やインバーターなどの電子機器で駆動される場合でも、回路動作と磁心動作を同時に解析する連成解析が可能。
  2. 磁気抵抗の特性を非線形関数で与えることで磁気飽和などの非線形磁気特性の考慮も容易。

したがって、複雑な磁束分布も考慮できるよう、解析領域を細分化し、各要素を適切な磁気回路で表現することで磁気回路網による解析モデルを構築すれば、磁気回路法の長所を生かしつつ、磁気デバイスを用いた各種電気機器(リアクトル、変圧器、モーターなど)の比較的高精度な動作解析が可能となります。

<磁気回路法のデメリットと解決策>

一方、従来の磁気回路法には以下のようなデメリットがあると考えられていました。

  1. 磁心形状が複雑な場合の解析には不向き
  2. 磁気特性の非線形性を考慮した解析は難しい
  3. 回転状態のモーター解析には適用できない

これら磁気回路法のデメリット対しては、以下のような解決策が示されています。1に対しては、解析対象を分割して各要素を磁気抵抗で表現。2に対しては、多項式による非線形磁気抵抗の導入。3に対しては、可変磁気抵抗や可変起磁力源による回転子モデルの提唱などです。

デメリット 解決法
磁心形状が複雑な場合の解析には不向き 解析対象を分割して各要素を磁気抵抗で表現
磁気特性の非線形性を考慮した解析は難しい 多項式による非線形磁気抵抗の導入
回転状態のモーター解析には適用できない 可変磁気抵抗や可変起磁力源による回転子モデル
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