1.有限要素法の概要

有限要素法とは、電気等価回路法、磁気回路法と並ぶモーターの解析手法の一つです。

有限要素法では、構造物を小さな要素(三角形や六面体など)に分割した上で各要素の特性を数式で表現し、それらを組み合わせた連立方程式を用いて構造物の全体特性を表現しています。

すなわち、どんなに複雑な形状であっても細かく分割すれば単純形状の集合体となるため、細分化された単純形状の数式を使って全体挙動が計算できることになります。
このようにして構成された連立方程式をマトリクス形式で表現し、コンピューターを用いて演算処理することによって、応答解を得ることができます。

<有限要素近似(モデル化)>

すべての実在する構造物は、連続体として無限の自由度を有していますが、このままでは数値解析を実施することができません。

そのため、構造物をある限られた自由度を持つ要素の集合体として表現する必要があり、このことを有限要素近似(モデル化)と言います。有限要素法という言葉は、これに起因しています。

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    2.有限要素法の要素

    <要素例>

    三角形シェル要素 四角形シェル要素 四面体ソリッド要素
    トラス要素 三角形リング要素 バネ要素
    剛体要素 質量要素 減衰要素

    有限要素法では、解析対象を要素の集合体として表現するため、用途に応じて種々の要素が用意されています。
    解析対象を単一の要素タイプのみでは表現できないこともあり、その場合には複数の要素タイプを組み合わせてモデル化を行うことになります。

    3.有限要素法の解析

    有限要素法では、物理的に厳密な支配方程式(偏微分方程式など)を、モデル化を通じて近似的な方程式(代数方程式)に置き換えています。
    数学的には厳密に解いているのですが、あくまで近似計算を行っていることは理解しておく必要があります。

    <解析精度向上に向けて>

    有限要素法を用いて解析する際は、解析目的に合致した要素タイプを選択しなければなりません。ここで重要な点は、解析モデル全体の自由度を落として計算効率を上げるのと同時に、解析目的に対して要素特性が十分な精度を有しているかを判断するということです。

    計算コストと解析精度は通常トレードオフの関係にあり、基礎工学理論による妥当性確認を行う、試行錯誤を繰り返す、経験を積んだ有識者のレビューを受ける、といったことが有効な手段となります。

    <解析精度に影響を与える主要因子>

    • 要素分割数
    • 要素形状
    • 要素種類
    • 条件設定など

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