- モーターの制御 -定電圧/定電流/フィードバック/フィードフォワード/PID制御とは

1.定電圧制御とは

定電圧制御とは、電源回路の制御方式の一つです。常に電圧値が一定になるように制御しています。

電源電圧を制御することによってモーターに印加される電圧が決まりますが、定電圧制御では、印加電圧に応じてモーター電流が変化し、発生するトルクが変わる特性を利用しています。

2.定電流制御とは

定電流制御とは、電源回路の制御方式の一つです。常に電流値が一定になるように制御しています。

モーターの制御の場合、何らかの外部要因でモーターの軸にかかる負荷量が変化した際、モーターで生成される抵抗特性が変わってしまいます。
この場合、定電圧制御を行ってもモーター自身の抵抗値が変わってしまうため、流れるモーターの電流が変わります。このような場合に定電流制御を利用します。

3.フィードバック制御とは

フィードバック制御とは、自動制御方式の一つで、検出器やセンサーからの情報を目標値側へフィードバックすることによって、両者を比較し、目標値に近づけていく制御方式のことです。

フィードバック制御の優れた点としては、制御を乱すような外的な変化が生じたとしても、それをフィードバックすることで修正することができることが挙げられます。

4.フィードフォワード制御とは

フィードフォワード制御とは、自動制御方式の一つで、出力に変動を生じさせる事態を予測し、あらかじめ打ち消しておく制御方式のことです。
フィードバックして制御するわけではないので、フィードバック制御と組み合わせて使用されることが多いです。

<使用例>

  • 歩行ロボットの手先の位置に対する関節角度制御
  • 熟練ドライバーのハンドル操作、ペダル操作など

5.PID制御とは

PID制御とは、フィードバック制御の一種であり、自動制御方式のことです。操作対象が一つで、目標値と操作量に比例関係がほぼ成り立つ場合に使用できる制御方法です。
社会で役立っている制御系の90%以上にPID 制御が使われています。PID制御では、P(比例制御)、I(積分制御)、D(微分制御)の3要素を組み合わせて制御します。

<使用例>

  • 室温を25 ℃一定に制御するエアコン
  • 手足を器用に動かすロボットなど

以下、自動車における使用例

  • オートマチックトランスミッション
  • パワーステアリング
  • アクティブサスペンション
  • アンチロックブレーキシステム
  • カーエアコンなど

以上のように自動車において広く利用されているPID制御ですが、自動車以外でも幅広く利用されています。

<PID制御器の種類>

また、PID制御と呼ぶ制御器には大きく分けてP制御、PI制御、PD制御、PID制御の4種類があります。

モーターの制御