- モーターの制御 -マイコン制御とは
1.マイコン制御とは何か
マイコンは、例えば、冷蔵庫、洗濯機、携帯電話、テレビ、ゲーム機、血圧計、体温計など身の回りにある電子機器の多くに使用されています。
マイコンはそれらの電子機器において、ハードウェアの制御を行っており、あらかじめ設定されたプログラムに基づいて制御しています。
2.マイコンの構成
マイコンはCPU、メモリー、周辺機能などで構成されています。
<CPU(Central Processing Unit)>
CPUとは、中央処理装置のことです。周辺機能を制御してデータを受け取り、演算処理を行い、その結果を出力します。演算を行う際にデータを一時的に保持しておく記録回路のことをレジスタと言います。
<メモリー>
マイコンの記憶部分であり、プログラムやデータが保存されています。大きくROMとRAMに分けることができます。
ROM…読み出し専用のメモリーです。電源を切ってもデータは消えないですが、一度書き込んだデータも消去できません。
RAM…データの読み書きが自由に行えますが、電源を切るとデータは消えてしまいます。
3.マイコン制御のメリット(利点)
マイコンを使用することで細かな制御が可能になります。
例えば、エアコンを使って室温を20度に設定したい場合、単純なスイッチング制御だと室温が20.1度になるとエアコンがOFFになり、逆に室温が19.9度になるとエアコンがONになります。
この場合、頻繁にON/OFFを繰り返すことになります。マイコンを使用することで、例えば19度以下になるとON、21度以上になるとOFFのような設定をすることができ、頻繁なON/OFFを防ぐことができます。
4.モーターのマイコン制御
ブラシ付きモーター、サーボモーターからステッピングモーターの制御までマイコンによるモーター制御は広く使用されています。
<DCモーターのマイコン制御>
DCモーターは、電源のON/OFF以外の制御回路が必要ないことも多く、逆にマイコンによる制御で速度調整や回転方向の調整をすることが難しい場合があります。
<ブラシレスモーターのマイコン制御>
ブラシレスモーターは単純な構造である一方、回転させるために適切なタイミングで電力を供給する必要があるなど、マイコンによる制御が重要になります。
<サーボモーターのマイコン制御>
サーボモーターの制御にはPWM(パルス幅変調)を用いており、マイコンによる制御も使用されています。
<ステッピングモーターのマイコン制御>
ステッピングモーターの制御にはフィードバック制御が必要なく、そのためマイコンによる制御ではパルスの作り方などが重要になります。
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書籍『mbedマイコンによるモータ制御設計法』