EVの制御技術(コンバーター)の種類

1.コンバーターの種類

一般的に、コンバーターとは交流から直流の電流に変換する装置、つまりAC/DCコンバーターのことを指します。
しかし、AC/DCコンバーター以外にも、直流から電圧や電流の大きさが異なる直流に変換するDC/DCコンバーター、交流から周波数の異なる交流を作り出すマトリクスコンバーター、また、整流回路と自励式インバーターを組み合わせたサイクロンコンバーターなどがあります。

<分類表>

AC/DCコンバーター 交流から直流の電流に変換
DC/DCコンバーター 直流から直流の電流に変換
マトリクスコンバーター 交流から周波数の異なる交流に変換
サイクロンコンバーター 交流から周波数の異なる交流に変換

2.各コンバーターについて

<AC/DCコンバーター>

家庭等に送られてくる電気がAC電圧であるのに対して、電気製品はDC電圧で動作します。そのため、電気製品を使うためには、送られてくるAC電圧をDC電圧に変換する必要があり、この際にAC/DCコンバーターが用いられています。

<DC/DCコンバーター>

DC/DCコンバーターは、発熱が少なく、今では多くの電気製品に搭載されています。コンセントを挿して動作する電気製品には、それぞれ動作に最適な電圧があります。
そのため、AC/DCコンバーターを用いてDC電圧に変換した後、必要なDC電圧に変換するDC/DCコンバーターが必要になります。

<DC/DCコンバーターの種類>

降圧型 入力電圧よりも低い電圧に変換できる
昇圧型 入力電圧よりも高い電圧に変換できる
反転型 入力電圧と符合が反転した電圧に変換できる

<マトリクスコンバーターとサイクロンコンバーター>

どちらのコンバーターもある周波数の交流電流から異なる周波数の交流電流に変換するコンバーターです。

違いとして、マトリクスコンバーターのスイッチには、サイクロンコンバーターのスイッチと比べて、1、双方向の電流を扱うことができる。2、高速なスイッチングが可能である。などの特徴があります。

3.EV(電気自動車)におけるDC/DCコンバーター

電気自動車(EV)では、メインバッテリーからの電圧をDC/DCコンバーターを介して電圧変換し供給しています。

電気自動車(EV)のモーターで発電してバッテリーに蓄えられた電圧は高電圧であるため、通常のバッテリー電圧まで下げる必要があり、この役割を担うのがDC/DCコンバーターです。

<EV(電気自動車)に使用するDC/DCコンバーターで考慮するべき要素>

  • 低損失、高効率
  • 小型化、軽量化
  • バッテリーの電圧変動に応じた安定供給
  • 高精度な電源回路設計
  • ECUの電源に見合う高信頼性設計
  • 電源の仕様に最適な制御方式の選択など

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書籍『パワーエレクトロニクスにおけるコンバーターの基礎と設計法』