1.リチウムイオン電池と蓄電デバイス

リチウムイオン電池とは蓄電デバイスの一つです。蓄電デバイスとは、その名の通り、電力を蓄える装置で、適用用途は急速に拡大しています。リチウムイオン電池は、エネルギー密度と電圧が高く、充電できるという特徴を持つため、蓄電デバイスの中でも優れていると考えられています。

<蓄電デバイスの代表例>

リチウムイオン電池、鉛蓄電池、全固体電池、キャパシタなど

<蓄電デバイスの使用例>

  • 発電はできるが電力を貯蔵できない装置との組み合わせ

    (例:風力や太陽光発電装置と組み合わせた電力貯蔵装置等)

  • 商用電力が使用できない環境での電力供給装置

    (例:モバイル機器、電気自動車、停電バックアップ電源等)

  • 商用電力の補助電源(例:電力負荷平準化装置、分散給電装置等)

関連カタログ

    2.リチウムイオン電池の概要

    <特徴>

    1. 高電圧(平均放電電圧が約3.7 V、充電電圧4.2 V)
    2. 高エネルギー密度(パソコン用電池で>600 Wh L-1、>240 Wh kg-1)
    3. 充電回数(小型電池で 500 回以上)

    <原理>

    携帯機器(モバイル機器)用市販リチウムイオン電池は負極に黒鉛等の炭素が、正極にはLiCoO2が採用されていることが多いです。

    電気自動車や発電装置等、電池適用用途が変わると電池に要求される特性が変わるため、使用する正極・負極活物質(材料)も変わるのが一般的です。

    両極活物質はリチウムイオンの挿入脱離が可能な層間を有する層状化合物であり、放電時には炭素負極からリチウムイオンが放出され正極に挿入されます。

    電池の劣化がなければ原理的には充電時や放電時、電池を使用していない状態、また正極、負極および電解液の電池内のどこに存在していても、リチウムはリチウムイオンの状態で存在しています。

    <鉛蓄電池との性能比較例>

    鉛蓄電池 リチウムイオン電池
    エネルギー密度(Wh kg-1) 70 500
    価格(円 Wh- 1) 20 500

    3.リチウムイオン電池の用途

    リチウムイオン電池は、小型・軽量、高電圧かつ充電可能な電池であり、1991年に工業製品として日本で実用化されました。

    モバイル機器を中心に、リチウムイオン電池の使用量は毎年増大し、使用用途は急速に拡大しています。用途により使用する電池材料、電池構造、組電池構成、電池の充放電制御システム、電池性能などが異なります。

    <製品用途>

    携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、液晶ゲーム機、電動ツール、電気自動車、各種電動車両、電力貯蔵装置、マルチコプター、ドローンなど

    関連カタログ