1.インホイールモーターとは何か、その原理と構造

インホイールモーターとは、自動車のホイールの内側で駆動するモーターのことを言います。インホイールモーターは、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)などに搭載されるパワートレインです。

車輪のホイールにモーターを内蔵することで、駆動力がホイールへ直接伝達されることになるため、従来のガソリンエンジン自動車のようにギヤや駆動軸等によるエネルギー損失が小さくなります。

大きなモーターを積むこともなくなるため、省スペースの点でも優位であり、ユニバーサルデザイン性も高いです。

電気自動車は高密度で安価なバッテリーの開発が量産の鍵だと言われていますが、普及が期待される電気自動車は小型化・軽量化が要求されます。

そのためには、ホイールベース縮小や摩擦力低下、操縦安定性低下を克服する必要があり、小型軽量化や操縦安定性を両立させる一つの方法論として、インホイールモーターの可能性が指摘されています。

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    2.インホイールモーターのメリット

    ①高効率であり、構造も簡素で小型化が可能である。

    ②トルク特性が平坦であり、変速機を必要としない。

    ③トルクの応答性が速く、併せて制御も簡単である。

    ④独立で駆動力制御が可能で、トラクション制御や車両姿勢制御等に応用しやすい。

    ⑤一つのインホイールモーターが故障しても、他のインホイールモーターで継続運転が可能になるため、コンバート車より安心感が高く、駆動システムの安定性に寄与する

    ⑥コンバート車ではエンジンルームの場所にモーター・インバーター・バッテリーを入れ替えて配置したが、インホイールモーター化でモーターが全て小型でホイールに内蔵されるため、車両のデザインの自由度が高まり、ユニバーサルデザインを実現しやすい。すなわち衝突安全性やその他安全機能の新規付与を行いやすい。

    ⑦ドライブシャフト等の伝達機構をなくすこともできるため、車体の骨格構造の自由度も高められる。これは自動車の小型軽量化やそれによる省エネルギー化、航続距離延長に資する。

    ⑧電気自動車での部品点数の現象とスペースの拡大が実現され、自動運転や遠隔操縦に関する新規装備の配置も余裕をもって行える。

    3.インホイールモーターの課題

    ①路面からの衝撃がタイヤを介すだけでモーター本体に伝達されるのでモーターや減速機にロバスト性が求められる。

    ②モーターの搭載位置が低くなるため、雨や雪等への耐候性や悪路対策、路上への対応が必要になる。

    ③モーターがブレーキと隣接してしまうため、熱対策をしっかり行う必要がある。

    ④ホイール内の空間や許容重量により、モーター設計に制約が出てくる。

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