1.概要

超音波モーターとは、超音波そのものではなく、超音波領域(20kHz以上)の振動を使ってローターを駆動させるモーターのことです。一般的に普及している電磁モーターとはまったく異なる原理に基づくモーターです。超音波周波数の振動が駆動源であることから、超音波モーターと呼ばれています。

超音波モーターは1980年頃に考案され、現在に至るまで応用分野を広げてきました。通常のモーターは永久磁石やコイルを用いてローターを回転させますが、超音波モーターでは超音波振動を使うために、圧電セラミックを使用しています。圧電セラミックの変形量をステータで増幅し、その変形をコントロールすることによってステータ表面で回転運動を生み出しています。

2.特徴

他の電磁モーターと比較した場合の超音波モーターの利点としては、以下のものが挙げられます。

<超音波モーターのメリット>

  • ① ギアなどの減速機構を使用しないため、低速・高トルク特性を有する。
  • ② 電源を切った状態でも高保持力を有する。
  • ③ 同程度のトルクを持つ電磁モーターに比べ、小型・軽量である。
  • ④ ローターの慣性が小さく、ローター、ステータ間の摩擦による制動力が大きいため、優れた応答性を有する。また、高制御性も有しており、速度コントロールが容易。
  • ⑤ ギアを使わないため、静粛性に優れている。
  • ⑥ 巻線や磁石を使用しないため電磁波を発生しない。また、磁性材料を使用しないため磁気の影響を受けることなく安定動作をする。

以上のように超音波モーターには、電磁モーターと比較して様々な利点がありますが、一方以下のような欠点もあります。

<超音波モーターのデメリット>

  • ① 摩耗が大きく、寿命が短い。
  • ② 高速運転が困難である。
  • ③ 高周波電源や複雑な駆動回路が必要である。

上記に挙げた超音波モーターとしての利点を活かしつつ、欠点をいかに減らしてくかが今後の課題として挙げられています。

関連カタログ

    3.用途

    以上のような超音波モーターの特徴から、現在では、下記のような製品に利用されています。

    <超音波モーター 用途例>

    超音波アクチュエーター 高磁場環境内のアクチュエーター
    カメラのオートフォーカス 医療機器MRI
    計測器の制御部 微細位置制御が必要なロボットアーム
    腕時計 工業ロボット用のチャッキング装置
    レンズミラーの駆動部 二足歩行ロボット用アクチュエーター

    このように様々な身近な機器に組み込まれ利用されています。
    現在でも広く利用されている超音波モーターですが、まだまだ課題も多いため、超音波モーターの性能が向上していくにつれ、今後さらに市場が拡大していくことが予測されています。

    関連カタログ