- モーターの種類 -サーボモーターとは
1.サーボモーターとは何か、その原理と構造
サーボモーターとは、サーボ機構において位置および速度を自動制御できるモーターのことです。サーボドライバーとセットでサーボ機構を構成しています。
サーボモーターは、指令に対して回転数を追従させやすいという特徴があり、制御を必要とする場面でよく使われています。また、回転角や回転速度の情報をフィードバックさせて制御を行います。
サーボモーターという言葉自体は、特定のモーターを指すのではなく、あくまでサーボ機構に使われるモーターのことをサーボモーターと呼びます。
サーボモーターには、速度検出器(サーボモーターの動作をフィードバックするためにモーターの状態を検出する)と速度アンプ(ドライバー)が必要となり、速度アンプはモーターを指令通りに回転させるために、検出器からの速度信号を受け、モーターへ印加する電気を変化させます。
2.サーボモーターの種類
サーボモーターが最初に実用化されたのはDCサーボモーターで、初期の頃はDCサーボモーターしかありませんでした。その後、技術の発展に伴いACモーターにもサーボ機構を持たせることが可能となり、ACサーボモーターが開発されました。
他には、ステッピングモーター、コアレスモーター、DDモーターなどがサーボモーターの種類としてはあります。
今ではサーボモーターと言えば、ACサーボモーターと呼ばれるほど主流になっています。ACサーボモーターは、巻線の高密度化、マグネットの特性や絶縁技術の進歩により、DCサーボモーターと比べて小型化が実現されました。
3.サーボモーターの特徴(メリット・デメリット)
<サーボモーターのメリット>
- ① 位置制御や速度制御に長けている
- ② ステッピングモーターに比べ、円滑性で勝る
- ③ 高速にしても脱調することはない
- ④ 大きな外力が加わり、少しずれたとしてもエンコーダーが動きを監視しているため修正される
- ⑤ 急激な負荷変動に強い
- ⑥ 高トルク・高回転
<サーボモーターのデメリット>
- ① 高い電源電圧での駆動となる
- ② 制御・機構部が複雑であるため、コスト高となる
- ③ トルク変動に対し追従する際に遅れが発生する
4.サーボモーターの用途
半導体・液晶製造装置、電子部品実装装置、産業用ロボットといったFA分野、医療機器、アミューズメント機器など。
サーボモーターの上記のような特徴から、FA分野、医療機器、アミューズメント機器などに現在は使用されています。今後もさらにサーボモーターの特徴を活かせる分野で用途は広がっていくと予想されています。