1.概要

PMモーターは、回転子(ローター)に永久磁石を使用したモーターのことであり、永久磁石式モーター、磁石式同期モーターなどとも呼ばれています。
特徴としては、高効率(回転子に永久磁石を使用することにより、2次銅損がなくなるため)や小型化などが挙げられます。

<PMモーターの歴史>

PMモーターは、永久磁石(PM)の研究開発が進むとともに、発展してきました。1930年代にアルコニ磁石(アルミニウム、ニッケル、コバルトなどを原料とする磁石)やフェライト磁石が、1960年代には希土類系磁石が開発され、これらが応用されたステッピングモーター、DCモーター、ブラシレスDCモーターなどが作られました。

PMモーターのPMという言葉自体は、永久磁石という意味なので、特定の原料から作られた磁石を指しているわけではなく、様々な種類の永久磁石を指しています。そのため、時代によってPMモーターと呼ばれるものが何かは異なります。

2.分類

PMモーターの分類方法には、回転子(ローター)の構造による分類と、固定子(ステータ)の構造による分類の2通りがあります。

<回転子による分類>

回転子による分類では、永久磁石を回転子のどこに配置するかで分類され、回転子の表面に配置するものは表面磁石型同期モーター(SPM)、回転子の内部に埋め込んでいるものは埋込磁石型同期モーター(IPM)と呼ばれます。

<ステータの構造による分類>

ステータの構造による分類では、全節巻の巻線構造と集中巻線構造とで分類されます。

関連カタログ

    3.用途

    家電製品、工作機械、産業用、ハイブリッド車、電気自動車など。

    <HV、EV用として>

    近年、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)が注目されるようになり、これら自動車の動力源として永久磁石モーターが重要な存在になりつつあります。
    PMモーターは、効率性、小型、コストなどの面で他の電磁モーターなどよりも優れているため、HVやEV用のモーターとして適していると考えられています。

    SPMは磁石が回転子の表面に露出しており、有効磁束量が大きくトルクリプルが小さいため、高速回転には向いていませんが、IPMは回転子内部に磁石が埋め込まれているため、高速回転にも向いており、また、大きなトルクを生みだすことができ、鉄損の低減も可能なことからHVやEV用として採用されるケースが増えてきています。

    <IPMモーター>

    最近になり、高性能ネオジム磁石を使ったIPMモーターが開発され、HV、EV用にはIPMモーターが使用されることが多くなりました。今後もHV、EV用としてはもちろんのこと、PMモーターの用途は拡大していくと考えられています。

    ▽続きはこちら
    書籍『省エネモータの原理と設計法』

    関連カタログ