1.車載用パワー半導体とは何か、その原理と用途

半導体とは、電気的性質を備えた物質のことを言い、電気を通しやすい導体と電気を通さない絶縁体の中間の性質を持っています。パワー半導体は、その中でも高い電流、大きな電流を扱うことができる半導体です。

パワー半導体は電圧、周波数を変えたり、直流⇔交流間の電力変換に使われています。自動車、鉄道、家電製品、産業機器などへ安定した電源を供給するものとして無くてはならない存在です。

2.車載用パワー半導体の歴史

1947年、世界で初めて半導体デバイスである点接触型トランジスタがアメリカAT&Tベル研究所のショックレーらにより発明されました。

その当時の半導体材料は、シリコン(Si)ではなく、ゲルマニウム(Ge)でしたが、半導体として動作する最高温度が約70℃以下と低いこともあり、パワーデバイスとしては不向きでした。

そこで高温150℃でも動作が可能で、かつ地球上で二番目に多い元素と言われ豊富に存在するシリコン(Si)がパワー半導体材料として多く使われるようになりました。

そして1950年代にアメリカで製品化され、1980年代に入ると、ゲート信号で簡単にオン・オフできる半導体デバイスが実現しました。

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    3.パワーデバイス(パワー半導体)の役割と将来性

    近年電力の省エネルギー化への要求が一層高まる中、パワーエレクトロニクス機器に対しても高効率化、高機能化が求められています。

    パワーエレクトロニクスによる電力制御は、パワーデバイス(パワー半導体)による低抵抗、高速スイッチング技術によって成り立っており、パワーデバイス(パワー半導体)の性能が電力制御の性能を左右すると言えます。

    現在、パワーエレテクロニクスやパワーデバイス(パワー半導体)は省エネルギー化促進やCO2削減、地球温暖化防止の切り札の一つとして期待されています。

    パワーエレクトロニクスの応用範囲は広く、パワーデバイス(パワー半導体)の扱う電圧電流の範囲も、電圧数十~数万ボルト、電流もミリアンペアオーダーから数千アンペアまでの広範囲が対象となります。

    そのため一種類のパワーデバイス(パワー半導体)では対応が困難であり、様々なパワーデバイス(パワー半導体)が特徴に応じて使い分けられています。

    4.車載用パワーデバイス(パワー半導体)の種類

    自動車に搭載される半導体デバイスの数、量は近年増加しており、特にEV・PHV・PHEVなどの次世代自動車においては役割が益々大きくなっています。

    DCDCコンバータ、オンボードチャージャー、駆動用モータ用インバータ、スーパージャンクションMOSFETやIGBT、さらにはSiC/GaNパワーデバイスの搭載が期待されています。

    <主な車載用パワーデバイス(パワー半導体)>

    シリコンMOSFET、シリコンIGBT、シリコンダイオード、SiCパワーデバイス

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