1.ミリ波レーダーの概要

ミリ波レーダーとは、30GHz~300GHzの周波数帯にあるレーダーのことです。この周波数は電波の中でも光に近い周波数帯であり、携帯電話や無線LANで使われているマイクロ波の約10~100倍あります。

波長が短く、使用できる帯域幅が広いという特徴を生かして、肉眼では見えない物標を像として可視化するイメージング、高精度に測定してその動きや状態を検知したりするセンシングに利用されています。

<用途>

自動運転自動車、ヘリコプター搭載レーダー、見守りセンサー、ヘルスケア・モニタリングセンサーなど

ミリ波レーダーは、今では自動車の自動運転化にはなくてはならない技術だと考えられています。同じく自動運転技術のキーテクノロジーとしてステレオカメラ、LiDAR、GPS、超音波センサーなどと共に注目を集めています。

2.ミリ波レーダーの歴史

ミリ波レーダーは、2000年代半ば頃それまでADAS(先進運転支援システム)用センサーとして主に使われていた車載用LiDARに取って代わる形で使われ始めました。当初は前方監視レーダーとして実用化されましたが、価格も高く上級車への搭載に限定されていました。

その後、小型・軽量化が進み、前方監視レーダーの価格も下がってきたことでコンパクトカーや軽自動車にまで普及しました。また前方だけではなく、後側方なども監視する周辺監視レーダーの実用化、実装化も進んでいます。

3.ミリ波レーダーの種類

車載用ミリ波レーダーは、周波数の違いから近距離レーダー、中距離レーダー、遠距離レーダーの3種類に分けることができます。

近距離レーダー 中距離レーダー 遠距離レーダー
周波数 24GHz,79GHz 24GHz,77GHz,79GHz 77GHz,79GHz
検知距離 0.15~30m 1~100m 10~250m
主な用途 駐車支援 ブラインドスポット検知 アダプティブ・クルーズ・コントロール、前方車両追突警報システム

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    4.ミリ波レーダーのメリット・デメリット

    <メリット>

    • 天候に左右されにくい
    • 遠距離対象物の高性能検知が可能

    <デメリット>

    • 電波の反射率の低いものを検知しにくい
    • 近距離のものを検知しにくい

    ミリ波レーダーは電波の性質上、他のADAS用センサーと比較し、天候に左右されにくく、遠方のものの検知に優れているというメリットがあります。

    一方、同じく電波の性質上、電波の反射率の低いもの、また近距離のものを検知しにくいというデメリットがあります。

    5.ミリ波レーダーの今後

    車載用ミリ波レーダーは、半導体の進化による効率的な回路設計が可能になったこと、周波数帯が解放されたことなどから、着実に進化してきました。今後も技術的進化が期待され、デメリットのない車載用ミリ波レーダーの研究・開発も現在進められています。

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    書籍『ミリ波レーダ技術と設計』

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