京セラ、16Gbps の高速伝送を実現したフローティング基板対基板コネクタ「5652シリーズ」を製品化

更新日:2021.3.22

京セラ株式会社は、16Gbpsレベルの高速伝送と、X,Y方向に±0.85mm可動(F/P※1=170%)する構造を実現した、0.5mmピッチ高速伝送対応フローティング基板対基板(Board to Board)コネクタ「5652シリーズ」を製品化し、1月21日(木)より順次、サンプル出荷を開始しました。

また、当社の高速伝送対応フローティング基板対基板コネクタの製品群のブランド名として「FloXY(フロクシー)」とネーミングしました。今後もフローティングコネクタのラインアップを続々と拡充してまいります。

近年、スマートカーや電気自動車の開発・普及が加速するとともに、安心・安全な車社会の実現に向け、交通事故を抑制するためのADAS(先進運転支援システム)やAD(自動運転)に対する関心が高まっています。こうした中で、Mobility ComputerやIVI※2、LiDARなどの車載機器は、以前にも増して大容量の情報を通信する高機能なシステムが構築され、搭載されるコネクタについても、大容量通信を遅延なく高速に伝送できる性能が求められています。

新製品「5652シリーズ」は、こうした市場のニーズに応える高速伝送と高い信頼性を兼ね備えたフローティング機構付き基板対基板コネクタです。16Gbpsの高速伝送を実現しながら、X,Y方向に±0.85mmの可動(F/P※1=170%)を実現し、一般的にフローティング機構では難しいとされる高速伝送の機械特性と電気特性を大幅に引き上げました。PCIe Gen.1~Gen.4、MIPI D/C-PHY、SATA3.0、USB3.1 Gen.1など、さまざまな高速規格に準拠し、業界で初めて※3 USB3.1 Gen.2にも対応。

嵌合高さは、14mmから30mmまで幅広い高さバリエーションを揃えることで、設計自由度を向上、車載機器に求められる125℃までの厳しい高温環境にも対応可能です。

さらに当社は、市場のニーズに合わせ、300極超の多極製品および、基板間高さ5mmからのさらなる低背要求に対応した高速伝送対応フローティング基板対基板コネクタの新製品開発を行っており、順次、ラインアップを拡充して参ります。

■特長

1. PCIe Gen.4(16GT/s)やUSB3.1 Gen.2などの高速伝送規格に対応

フローティング基板対基板コネクタにおいて、高速伝送規格PCIe Gen.4(16GT/s)および、業界初※2のUSB3.1 Gen.2対応製品です。また、特性インピーダンスは85Ω~100Ωをターゲットにしたことにより、様々な高速伝送規格の対応が可能です。

<対応可能規格>

PCIe Gen.1 2.5GT/s~Gen.4 16GT/s、USB3.1 Gen.1/Gen.2、MIPI D/C-PHY、SATA3.0 等

2. F/P※1=170%のフローティング機構を実現

0.5mmピッチでありながらX,Y方向に±0.85mm可動し、筐体内部の基板の取り付けの位置ずれや実装ずれを吸収するフローティングコネクタです。可動時に発生するはんだ部の応力を緩和することで長期信頼性を実現しています。相反する機能である電気特性と機械特性を最大限に引き上げた製品です。

3. 電源端子オプション

ご希望の定格電流に合わせ、信号端子とは別に専用の電源端子の配置が可能です。(オプション対応)

4. 基板間取り付け高さ許容量

一般に、基板間距離が累積公差により変動することで、コネクタ接触部の有効嵌合長が変わり伝送特性に影響を及ぼしますが、5652シリーズは伝送規格を考慮した形状の最適化により、高速伝送対応でありながら基板間高さ許容量として±0.75mmの対応が可能です。

5. 車載向け高温度対応、IATF16949に準拠した工場で製造

使用温度範囲-40℃~+125℃の高耐熱製品であり、ADAS、インフォテインメントなどの車載機器への搭載に適しています。また、IATF 16949にも準拠した工場にて製造しています。

6. 環境に優しいRoHS指令対応製品

 

FloXY(フロクシー)について

 

フローティング機構付き基板対基板(Board to Board)コネクタシリーズの製品ブランド。基板の実装ずれや嵌合時の位置ずれ(オフセット)をX,Y方向に可動して吸収することにより、車載・産機市場で求められる高い信頼性を実現した製品群。今回の新製品5652シリーズは16Gbps以上の高速伝送規格対応タイプで「HS」を付加しております。

 

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