「◇NVH シミュレーター – PreSense」
PreSenseは開発の初期段階で、アクセル、ブレーキ、ギアシフトなどの運転操作と連動した車室内の音響フィードバックをバーチャルにインタラクティブに聴感体験しながら評価できる NVH シミュレーター です。
パワートレインノイズやタイヤノイズ、風切音などのノイズをダイナミックに実際の走行条件に連動して合成・可聴化しバイノーラル再生します。評価者は PreSense上でインタラクティブにフィルターを用いてノイズを改善したり、コンポーネンツをバーチャルに載せ替えながら「タラレバ」の比較試聴したり、伝達経路ごとに別々に試聴しながらノイズ原因がどの経路に起因するか分析することができます。
NVH シミュレーターに搭載するデータセットは、実走測定データ、シャーシダイナモメター上の測定データ、テストベンチの測定データやCAEシミュレーションデータから生成します。CAEシミュレーションデータについては、シミュレーションしたコンポーネントのデータを測定した伝達関数と組み合わせることによって、バーチャル変更部分の音響効果を試聴することができるようになります。例として、シミュレーションした電動パワートレインの不快な純音ノイズ成分と 実車測定したマスキングノイズを組み合わせてたときの聴感評価が可能です。
PreSenseは高音質の合成音が特徴で、急激にアクセルを踏み込んでRPMや負荷を変化させても切り替えによる異音がせず、切れ目のないシームレスな遷移が実現できています。
PreSense と併せて用いることのできるハードウエアは複数の選択肢があり、デスクトップシミュレーター(PCと運転操作ペダル)、SoundSeat(運転席とハンドル付き、オプションで振動フィードバックも可能)、SoundCar(実際の車両に搭載した据え置き型)、モバイルシミュレーター(実際の車両に搭載して走行可能な実車型、実稼働条件は車両の CAN から取得)が利用可能です。また、PreSenseをサブシステムとして車両モーションプラットフォームに統合することも可能です。
さらに、NVH シミュレーターを用いて、運転操作と連動してアクティブサウンドデザインを行うことが可能です。音響デザイナーは 開発の初期段階から既にリアルな走行のコンテクストの中で車両の性能やノイズといった全体のコンテクストの中で、バーチャルかつインタラクティブに最適な音響デザインに取り組むことができます。サードパーティーの音響デザインツールとのインターフェイスも確保されている為、音響デザイナーは馴染みのある音響デザインツールを利用可能です。
NVH シミュレーター PreSenseはコストと時間の制約や試作の低減といった課題に直面するユーザーをサポートする優れた開発ツールです。高度に専門的な知識を要するグラフや数値の分析の代わりに、関係するメンバーでグローバルに音評価プロセスを共有しながらNVH 性能の評価が可能です。

ヘッドアコースティクスジャパン株式会社
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