低炭素社会実現のための社会シナリオ研究事業における 令和4年度新規課題の決定について

JST(理事長 橋本 和仁)は、低炭素社会実現のための社会シナリオ研究事業における令和4年度の新規課題2件を決定しました。

本事業は、日本の経済・社会の持続的発展を伴う、科学技術を基盤としたカーボンニュートラル社会の実現に貢献するため、望ましい社会の姿を描き、その実現に至る道筋や選択肢、戦略を示す社会シナリオ研究を推進するものです。

今回の募集は令和4年8月23日(火)~10月11日(火)正午に実施され、14件の応募がありました。募集締め切り後、JSTが定めるプログラムオフィサー(PO)が外部有識者の協力を得て書類審査と面接審査を実施した結果、2件の課題を採択しました。

研究は令和5年4月より開始する予定です。

JSTは、平成21(2009)年12月、低炭素社会戦略センター(LCS)を設置し、技術に基づいた低炭素化のための社会シナリオ研究を推進してきました。これまでのLCSにおける研究の成果と理念を踏まえつつ、このたびの採択により、人文社会科学系を含めた幅広い研究者の知の取り込みや研究人材の育成を図り、さらなる社会シナリオ研究の発展を目指します。

事業の詳細は下記ウェブページをご参照ください。 URL:https://www.jst.go.jp/lcs/

<添付資料>

別 紙:低炭素社会実現のための社会シナリオ研究事業 令和4年度採択課題一覧

参 考:令和4年度新規「低炭素社会実現のための社会シナリオ研究事業」募集概要

低炭素社会実現のための社会シナリオ研究事業 令和4年度採択課題一覧

1. 採択課題一覧

2.プログラムオフィサーの総評

森 俊介(科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター 研究統括)

この募集では、次代を担う人材育成への貢献などを念頭に置きつつ、大学院を持つ国内の大学に所属する研究者を対象に、日本全体を視野に入れた「低炭素社会実現のための社会シナリオ研究」に関する提案を求めました。具体的には、対象とする技術の技術的成立性、社会実装された場合の二酸化炭素削減効果や経済性評価はもとより、社会実装に向けた戦略や解決すべき課題、実装の時期や導入の規模、導入にあたって主要な役割を果たすべき要素など、社会実装のイメージを含むLCSでこれまで積み上げた研究の理念を発展的に継承・拡大する社会シナリオ研究の提案を呼びかけました。

対象となる分野の研究者人口は決して多いわけではありませんが、カーボンニュートラル移行の加速に向けた総合知に基づく社会シナリオや、地域の活動の積み上げに基づくシナリオ構築など、期待を超える提案が寄せられました。工学系、社会科学系など多分野の研究ネットワークを含む総合的な社会シナリオ構築に関する提案の応募が、4大学5チームからあったほか、リスクマネジメント、資源循環、二酸化炭素の回収・有効利用・貯留(CCUS)、情報技術など特定の視点に集中した評価提案も寄せられ、全体では14件の応募がありました。 選考においては、2050年の日本全体のカーボンニュートラル社会の構築に向けたシナリオが、論理性と確かな論拠の基に構築するプロセスによって担保されているかどうかを注視した上で、これまでのLCSでの活動の理念と成果をどのように把握し、かつ理解の上継承しようとしているかを念頭に置き、審議を進めました。その結果、次の2課題が採択に至りました。

1.「カーボンニュートラル移行の加速に向けた総合知に基づく社会シナリオ」 (研究代表者:杉山 正和 東京大学 先端科学技術研究センター所長 教授)

2.「地域特性を活かし価値を創造する再エネ基盤社会への道筋」 (研究代表者:本藤 祐樹 横浜国立大学 大学院環境情報研究院 教授)

前者は、技術シナリオ評価グループ、定量シナリオ解析グループ、社会シナリオ対話グループ、統合シナリオ構築グループの4チームから構成されており、LCSのこれまでの研究活動と理念に沿ったものとなっている点が評価されました。後者は、地域の社会経済活動に着目した地域産業連関モデルと地域資源評価を含む電力および熱利用に着目したエネルギーモデルに基づき、これと整合的な日本全体の社会シナリオを描こうとするもので、これもLCSの活動理念に沿うものとなっている点が評価されました。

科学技術振興機構(JST)



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