「ブルーアンモニア」製造の技術開発に着手
―2050年のカーボンニュートラルの達成に貢献―

              

NEDOは2050年カーボンニュートラルの達成に向け、電力・熱利用分野の脱炭素化を進めるため、燃焼時に二酸化炭素(CO2)が発生しないアンモニアを燃料として活用する「燃料アンモニア利用・生産技術開発」事業で、ブルーアンモニア製造の技術開発に着手しました。本事業では天然ガスを原料に水素からアンモニアの製造に至る改質プロセスなどで発生するCO2を分離・回収して、CO2フリーとなる「ブルーアンモニア」を製造する技術を開発します。NEDOは本事業を通じて、電力、熱利用といった産業分野での低炭素化の課題解決に取り組み、2050年のカーボンニュートラルの達成に貢献します。

              

1.概要

日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」では、2030年度の電源構成に水素・アンモニア発電が1%程度導入される見込みが示されるなど、エネルギーとして水素・アンモニアを利用拡大する重要性が高まっています。アンモニアは劇物ではありますが、化学工場では肥料や化学品の原料として、発電所では脱硝用に使用されており、安全な運搬や保管などに関する取り扱い方法が確立しています。また、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、発電所や工業炉などで燃料として用いることができれば、CO2排出量の大幅な削減が期待できます。しかし、アンモニアは天然ガスなどを原料としており、製造時にCO2が発生します。そのため、製造プロセスの脱炭素化を進め、CO2フリー燃料として社会実装することが求められています。

このような背景の下、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は「燃料アンモニア利用・生産技術開発/ブルーアンモニア製造に係る技術開発」事業で、低炭素化した燃料アンモニアの製造技術の開発に着手しました。

NEDOは本事業を通じて、電力、熱利用といった産業分野での低炭素化の課題解決に取り組み、2050年のカーボンニュートラルの達成に貢献します。

2.事業内容

株式会社INPEXが保有する新潟県柏崎市東柏崎ガス田において、水素製造設備、アンモニア製造設備、CO2回収設備を建設します。建設後、(株)INPEXが保有する南長岡ガス田で生産された天然ガスを既設のパイプラインを通して東柏崎ガス田に輸送し、ブルー水素※1を製造する実証試験を実施する予定です(700トン/年)。製造した水素は、一部をブルーアンモニア※2製造(500トン/年)に使用し、残りの水素は発電に利用する計画です。水素およびアンモニア製造の際に副次的に生産されたCO2は大気中に放出せず、分離・昇圧して回収します。

(株)INPEXは、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と実施する枯渇ガス貯留層へのCO2圧入およびガス増進回収技術(EGR:Enhanced Gas Recovery)の共同研究で、回収したCO2をガス生産の終了した貯留層へ地下圧入(CCUS:CO2の回収・利用・貯留)します。これによりCO2排出量を削減し、低炭素化を実現したブルーアンモニアを製造します。

NEDOは(株)INPEXと共に、天然ガスを原料とした水素・アンモニア製造からCO2の分離・昇圧までの一連のプロセスで各要素技術を実証し、将来の大型化を見据えた技術開発に取り組み、日本の燃料アンモニアサプライチェーンの構築に貢献します。


(1)事業名
燃料アンモニア利用・生産技術開発/ブルーアンモニア製造に係る技術開発

(2)事業期間
2022年度~2025年度

(3)2022年度助成規模
498百万円(予定)

(4)助成実施先
株式会社INPEX

図 実証試験イメージ

(参考)

(株)INPEXニュースリリース(2022年11月15日)

JOGMECニュースリリース(2022年11月15日)

【注釈】

※1 ブルー水素
天然ガスや石炭などを改質して水素を製造する過程で発生するCO2を大気放出する前に回収・貯蔵することで生産される水素です。化学品製造や、燃料電池車(FCV)などの運輸関連の燃料、製鉄の還元剤など用途は多岐にわたります。

※2 ブルーアンモニア
ブルー水素を用いて製造されたアンモニアです。

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)



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