トヨタは西欧で2035年に新車全てZEVに

トヨタモーターヨーロッパ(TME)は2021年12月2日(現地時間)、メディア向けイベント「Kenshiki forum」において、2035年までに西欧で販売する全ての新車をゼロエミッション車とする方針を発表しました。2030年には規制やラインアップ拡充を受けてゼロエミッション車の比率は50%以上となる見通しで、消費者の要求に応じてさらに引き上げられるようにします。この方針に合わせて、新型EV(電気自動車)「bZ4X」を欧州で初公開した他、ベルギーで燃料電池モジュールを生産する計画も示しました。

2035年までに西欧で販売する新車全てをゼロエミッション車とする方針について、充電インフラや水素ステーションが十分に整備され、再生可能エネルギーによる電力のキャパシティーが必要な水準まで増加することが前提だとしています。東欧はゼロエミッション車を利用するためのインフラの普及に時間がかかると見込み、目標に含めませんでした。

欧州で高評価のGRヤリスに水素エンジン

イベントの中では、世界でCO2排出量を削減する上では、HEV(ハイブリッド車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)、EV、FCV(燃料電池車)など、全てのアイテムを活用する必要があると説明しました。ベルギーではFCV「ミライ」の現行モデルに搭載されている第2世代の燃料電池システムについて、パイロット組み立てラインを設置し、2022年1月から生産を開始します。欧州で燃料電池の需要が大きく伸びているため、現地生産を始めました。また、水素エンジンの可能性についても訴えました。スーパー耐久レースに参戦している「カローラスポーツ」と同じ水素エンジンを搭載した「GRヤリス」を披露し、GRヤリスを含む「ヤリス」は2021年3月に欧州カーオブザイヤーを受賞するなど高い評価を受けており、欧州市場での販売でもセグメントのトップ3に入るとのことです。

Kenshiki forumでは、「E3アーキテクチャ」というプラットフォーム構想についても言及しました。既存のTNGAプラットフォームと、EV専用のeTNGAの主要な要素を融合させた新たなアーキテクチャとのことです。ユーザーの要望や、インフラの普及状況に応じて、HEVやPHEV、EVなどパワートレインの構成を柔軟に変更できるようにします。詳細は後日紹介される予定だが、2030年以降、欧州ではE3アーキテクチャが生産モデルの中心になるとのことです。プレゼンテーションではE3アーキテクチャの例にGA-Cプラットフォームが挙げられました。なお、GA-Cプラットフォームの採用モデルには既にHEVの「プリウス」、PHEVの「プリウスPHV」、EVの「レクサスUX300e」など複数の電動車があります。eTNGAの要素をどのように取り入れるのか注目です。

電動化以外のカーボンニュートラルに向けた取り組みも発表しました。2030年までに欧州の全ての生産拠点でカーボンニュートラルを達成する他、同年までに自動車での再生プラスチックの使用量を3倍以上に増やします。これにより、年間2万トンの再生プラスチックが新車に使われる試算です。また、今後5年間でシート生地は全てリサイクル素材に切り替えるとともに、内装材はアニマルフリーとします。

次世代電池の開発も電動車の普及に貢献します。バイポーラ型ニッケル水素電池のバイポーラ構造をリチウムイオン電池にも適用し、2020年代後半には1回の充電当たりの走行距離を減らすことなく1台当たりの電池コストを50%削減し、EVを手頃で身近なものにします。

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