パワー半導体用大口径SiCウェハの高速研磨技術を開発

2021.9.2 更新

国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村 和彦】先進パワーエレクトロニクス研究センター【研究センター長 山口 浩】ウェハプロセスチーム 加藤 智久 研究チーム長らは、株式会社ミズホと不二越機械工業株式会社と共同でSiCウェハの平坦化を高速で達成するラッピング技術を開発した。特に、低速度だった鏡面化工程では従来の12倍の研磨速度が得られ、枚様式加工法の鏡面研削工程に匹敵する新たなバッチ式加工技術を確立した。

【開発の社会的背景】

SiCパワー半導体素子の実装が、大きな電力を制御する発電・送電システム、産業用ロボットや自動車、鉄道、情報通信機器といった、電力を必要とする産業や社会で始まっている。これらの普及拡大には、パワー素子の基板となるSiCウェハの製造コストの低減が最も重要である。SiCウェハ加工工程には、さらなる量産性向上(高速化および並列処理)も必要である。

SiCウェハは、極めて加工の難しい高硬脆材料である。これまでSiCウェハの平坦化は、研削加工あるいは研磨加工で行われている。前者は枚葉式で量産効率が悪い。後者はバッチ式で複数枚一括処理が可能である。しかし、シリコンウェハの量産加工に比べて加工速度が遅いため、単位時間あたりの処理枚数では6倍以上の時間がかかっている。SiCウェハは、6インチから8インチへ大口径化が進もうとしている。今後、市場拡大に伴って量産規模が増大すると、それに対応してSiCウェハを今より効率よく生産できる加工技術が必要となる。


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