浜松コンピューティングがプリウス(Prius)用放電装置を発売

2021.6.18 更新

有限会社浜松コンピューティングは、電動カート*1用の鉛電池の放電劣化(SOH)測定装置を開発し販売してきたが、この技術を用いて、プリウス(202V型)とPHV(207.2V型)の廃車時に、1台分の電池を最高電圧240V 高電流20Aで放電できる大容量(4,800W)放電装置を受注生産することを発表した。

この分野では、計測器メーカーから、高機能の定電流放電装置が市販されている。しかし、これらの測定装置は各種測定ができるが、操作が複雑で使いにくい、価格が高いということがあり、電池の放電目的に特化した低価格な装置が電池業界より要望されていた。この装置は、マイコンで制御され、測定結果がSDカードに残り、添付のソフトで電池の放電カーブと保存エネルギーが簡単に読み取れる。その他の特徴は次のとおり。

①簡単な使用法

1.黒ボタンスイッチを1プッシュして放電開始。 2.液晶に経過時間と電圧が交互に表示される。 3.自動でSDカードに経過時間と電圧が記録されるロガー機能。 4. 180.0Vで終了前ブザーが鳴動 5. 168.0V*2で終了ブザーと同時に放電中止。6.途中での放電中止は、赤ボタンを長押し。

② 正確なSOH測定

1.12bit AD変換マイコンが0.1V精度でFETを制御するとともに、100ppmの水晶振動子で時間精度が出る。実験でSOH1%以上の再現性があったという。

2.時間ごとの電圧をプログラム内の抵抗値常数で割り、電流と電力を計算し、総放電量を数値とグラフに変換するしくみ。したがって、常に同じ条件で放電することになり、電池の開発試験、SOH試験に最適。充電器の性能試験にも使える。

③ 複数台制御

基板のアース線がフォトカプラーで浮かせてあるため複数の放電を同時に制御できる。

④ 顧客に合わせた仕様が可能

1.基板設計、プログラム作成、製造をすべて自社で行っているため、抵抗値、動作電圧と放電終止電圧、電力等顧客の要求で仕様が変えられる。

2.他に、ホンダFIT用EH5、日産 LEAF 500Wh型の放電装置の基礎実験は実施済みで、注文待ちの状態である。

*1基本回路は、浜松市の電動カートを製造とレンタルを行っている(株)セリオと共同で開発し、レンタル用カートの電池の交換時期を判断するために、既に全国で数十台の装置が使われている。

*2受注時に内部ソフトを変更して終了電圧の変更は可能。また、ボタン操作でも終了電圧が1V単位で変更が可能(ただし測定終了時に設定値に戻る)。


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