空気中の湿度変化を利用して発電する「湿度変動電池」を開発

2021.6.11 更新

ポイント

  • 空気中の湿度変化をエネルギー源として発電する「湿度変動電池」を開発
  • 新原理の発電方式によりmAレベルの電流を取り出すことに成功
  • IoT機器用自立電源などの応用に期待
  • 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村 和彦】(以下「産総研」という)センシングシステム研究センター【研究センター長 鎌田 俊英】 兼 人間拡張研究センター【研究センター長 持丸 正明】 駒﨑 友亮 研究員らは、空気中の湿度変化を利用して発電を行うことができる「湿度変動電池」を開発した。

    小型電子機器用の自立電源として、熱電素子、太陽光発電、振動発電など、環境中に存在する微小なエネルギーを使った環境発電技術の開発が長年続けられているが、従来エネルギー源とされる熱、光、振動などは存在する場所が限られており、「どこでも発電できる」技術とは言い難かった。そこで、地球上であればほとんどどこにでも存在する湿度(空気中の水蒸気)をエネルギー源とした環境発電技術の開発が進められている。しかし、湿度を利用した既存の発電素子では、得られる電流がnA~µAレベルであり、実用的な電源とは言えなかった。今回開発した湿度変動電池は、潮解性材料と塩分濃度差発電を組み合わせた新しい原理で動作し、内部抵抗が低いためmAレベルの電流を連続して取り出すことができる。この素子は、空気にさらしておくだけで昼と夜の湿度差を用いて発電することができるため、IoT機器などの極低電力電源として応用が期待される。


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