DCモーターのカタログ比較選定・メーカー一覧

DCモーターのカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連するDCモーターの製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

1.DCモーターの概要

DCモーターは、回転子と定子から構成されています。回転子には、巻き線に流れる電流が磁力によって回転力に変換されます。定子には、電源から流れる電流が磁力によって回転子に力を与えます。回転子と定子の相対的な位置関係によって回転方向と速度を制御します。

2.DCモーターの原理

DCモーターの動作原理は、ファラデーの電磁誘導の法則に基づいています。回転子と定子に巻かれた巻線に電流を流すことで、磁場が発生し、回転子が回転します。この回転子の回転運動によって、機械的なエネルギーを発生させることができます。

3.DCモーターの用途

DCモーターは、様々な用途に使用されています。例えば、自動車、電気工具、家電製品、工場機械などで使用され、精密な制御や高いトルクを必要とする場合に優れた性能を発揮します。また、小型のDCモーターは、ロボット、玩具、電子機器などでも広く使用されています。

4.DCモーターの種類

DCモーターには、ブラシ付きDCモーターとブラシレスDCモーターの2種類があります。ブラシ付きDCモーターは、ブラシと呼ばれる部品が回転子と接触することで回転を制御します。一方、ブラシレスDCモーターは、ハローセンサーと呼ばれる部品が回転子の位置を検出して制御します。ブラシレスDCモーターは、メンテナンスが不要で寿命も長く、高速回転時にも安定した性能を発揮することができます。

5.DCモーターのメリット&デメリット

DCモーターのメリットは、高効率性と制御の容易さにあります。直流電源を使用するため、交流電源に比べて電力損失が少なく、エネルギー効率が高いという特徴があります。また、回転速度やトルクの制御が容易であり、高い精度で制御できるため、様々な用途に適用することができます。そのため、家庭用品から自動車や船舶、ロボット、エレベーター、エアコンなど、幅広い産業分野で使用されています。

一方、DCモーターのデメリットとしては、ブラシ付きDCモーターの場合、ブラシとコミュテーターの接触面がすり減って寿命が短いこと、また、ブラシレスDCモーターの場合、回転子の磁石が磁力を失うことで寿命が短くなることが挙げられます。また、ブラシ付きDCモーターはブラシ交換が必要な場合があるため、メンテナンスが必要です。さらに、高精度な制御を必要とする場合、別途制御装置が必要になるため、コストがかかることがあります。

以上のように、DCモーターには高効率性や制御の容易さなどのメリットがありますが、ブラシや磁力の寿命などのデメリットも存在します。用途に応じて、適切なモーターを選択することが重要です。

株式会社YTK
【(著) 株式会社 YTK】

バッテリー(電池)の部品・材料のカタログ比較選定・メーカー一覧

バッテリー(電池)の部品・材料のカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連するバッテリー(電池)の部品・材料の製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

バッテリー(電池)の部品・材料の種類

現代社会においての代表的なバッテリー(蓄電池、二次電池)はリチウムイオン電池ですが、他にもマグネシウム系電池、アルミニウム系電池、亜鉛系電池、フッ素系電池、金属硫黄電池、金属空気電池などの種々のバッテリーが研究開発されています。これらのバッテリーですが、いずれも主に以下の4種類の材料、部材から構成されています。

1.正極 2.負極 3.電解質 4.セパレーター
以下に、主にリチウムイオン電池においての、それぞれの代表的な材料を示します。

1.正極

LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiNi0.5Mn1.5O4、LiFePO4、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2(NMC111)、LiNi0.6Co0.2Mn0.2O2(NMC622)、LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2(NMC811)、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(NMC523)、
LiNi0.8Co0.15Al0.05O2(NCA)、Li1.2Ni0.13Co0.54Al0.13O2(リチウム過剰型正極) など

2.負極

カーボン、グラファイトなどの炭素系材料 /Li4Ti5O12などの酸化物系材料 / SiO、Siなどのシリコン系材料 /リチウム金属材料

3.電解質

電解質塩:LiPF6、LiBF4、LiTFSI、LiClO4など /電解質液:炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどのカーボネート系、イオン液体系など /
固体電解質:LLZO(Li7La3Zr2O12)、LLTO(La0.57Li0.29TiO3)、NASICON(Li1+xAlxTi2−x(PO4)3など

4.セパレーター

一般的にPP、PEなどのポリオレフィンの微多孔性膜が使用されています。 他にもポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、セルロース系繊維などの耐熱性材質が開発されており、耐酸化性、耐電解液性を向上させるためにアルミナ、シリカ、チタニアなどの無機物を塗布、複合化したような複合材料のセパレーターも研究開発されています。上記は主にリチウムイオン電池に用いられる材料を示しましたが、例えば、リチウム硫黄電池には硫黄正極、金属空気電池には炭素系材料、窒素や遷移金属をドープした炭素系材料、酸化物から成る正極材料が用いられたりします。他にも、例えば、アルミニウム系電池、亜鉛系電池であれば、負極はアルミニウム、亜鉛などの金属になります。

バッテリー(電池)の部品・材料の概要と原理

正極、負極などの電極にはリチウムを吸蔵したり、放出する機能があり、例えばリチウムイオン電池の場合、充電時にはリチウムイオンは負極に、放電時には正極に移動しています。それぞれの電極は電解質に接触して、浸されており、電極間でのリチウムイオンのやり取りを担います。セパレーターは、正極と負極を隔離し、電解液を保持して、正極と負極間の接触を防ぐ(内部短絡防止)しつつ、かつイオン伝導性を確保する部材です。

GSアライアンス株式会社
【(著) GSアライアンス株式会社】

次世代型二次電池のカタログ比較選定・メーカー一覧

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1.次世代型二次電池とは

石油などの化石燃料に依存しない脱炭素、カーボンニュートラル社会の本格的な構築のためには、二次電池(蓄電池)が非常に重要なデバイスです。現代社会においての代表的な二次電池は鉛蓄電池、ニッカド、ニッケル水素やリチウムイオン電池ですが、今後のEV、家庭用、産業用用途に対しての二次電池のさらなる本格的な普及のためには、これらの既存の二次電池と比較して、より安く、安全で、電池容量が大きく、サイクル特性が優れている次世代型二次電池の開発が望まれています。

次世代型二次電池には、様々な候補があり、日々、活発に研究開発が世界中で行われています。以下に種類、名称で分類した場合と、リチウムイオン電池において、電池の構成材料で分類した場合の次世代型二次電池の種類を記載します。

2.次世代型二次電池の種類、名称


全固体電池

固体電解質/高分子、ポリマー/硫化物(Li2S-P2S5、Li10GeP2S12など/塩化物/酸化物:NASICON, LISICON, LLTO, LLZOなど

金属イオン電池

ナトリウムイオン電池、マグネシウムイオン電池、アルミニウムイオン電池、カリウムイオン電池、
カルシウムイオン電池、シリコンイオン電池、リチウムイオン電池など

金属空気電池

リチウム空気電池、亜鉛空気電池、鉄空気電池など

金属硫黄電池

リチウム硫黄電池、アルミニウム硫黄電池、ナトリウム硫黄電池、マグネシウム硫黄電池など

フッ化物電池

正極:CuF2, FeF3、SnF2、BiF3、PbF2など
負極:CaF2、MgF2、Ca、Mg、Pbなど

全樹脂電池 / レドックスフロー電池 / 溶融塩電池(熱電池) / 量子電池

3.リチウムイオン電池において、電池の構成材料で分類


正極

リチウム過剰型(Li1.2Mn0.54Ni0.13Co0.13O2)
ニッケル過剰層状型(LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2)
高電圧型(LiNi0.5Mn1.5O4)
酸化物型
コバルト酸リチウム系、マンガン酸リチウム系、三元系(ニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム)、
四元系NCMA(ニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム酸リチウム)
有機物系、多電子有機系
ポリアニオン系など

負極

Li金属系、合金系
シリコン酸化物(SiO)系、シリコン系
チタン酸リチウム系負極(Li4Ti5O12)、ニオブチタン酸酸化物
スズ系
炭素系、多環芳香族炭化水素系(PAHs : Polycyclic Aromatic Hydrocarbons)系など

電解質

固体電解質、イオン液体、深共晶溶媒、常温溶融水和物(ハイドレートメルト)、水系電解質

セパレーター

機能性材料付与オレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)系、ナイロン系、ポリイミド系
セルロース系、セルロースナノファイバー系、リグニン系などの天然バイオマス由来材料
アルミナ、チタニアなどのセラミック系材料塗布を施したセパレーター など


厳密には、上記以外にも、種々の二次電池が多数研究されています。

GSアライアンス株式会社
【(著) GSアライアンス株式会社】

バッテリー(電池)の検査・評価・試験システムのカタログ比較選定・メーカー一覧

バッテリー(電池)の検査・評価・試験システムのカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連するバッテリー(電池)の安全性などの検査・評価・試験システムの製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

1.電池の発展とともに発展したEV

近年環境保護、SDGsの観点から電気自動車(EV)の需要が高まってきている。また災害時の緊急用電源の確保の観点から重要なインフラと位置付けられている。EV開発は電池の発展と切っても切れない関係で電池容量の増大・安全性の向上に支えられ発展してきた。自動車の走行性能に関わる電池の主な特性は【走行距離-電池容量など】【高出力―高電流放電】【安全性-安全装置(+セパレーター、ポリスイッチなど)、全固体化など】が挙げられる。

2.EV用電池のトレンドとLi電池の長所と短所

初期のHEVなどは当時普及していたNi-HM(ニッケル水素)電池を使用していたが、高容量の必要性から現在のEVにはLi電池が主に使用されている。但しLi電池は爆発の可能性のある有機電解液を使用しており事故の際の安全性が課題である。現在、開発レベルでは有機溶媒を用いない全固体電池、全樹脂電池などの開発が進んでいる。

3.EV用電池の評価

3‐1 単電池と組電池

Li電池ではとして18650、21700、ラミネート型などの形態があり、これら一つ一つを単電池という。EVはこれら電池を直流・並列につなげて組電池とし、高出力にして使用する。

3‐2 単電池の評価

開発段階では電池の主な構成要素である正極・セパレーター・負極各々の物理的評価 すなわち組成・構造などの評価の他、各々及びそれら組み合わせての電気化学的評価、安全性評価(釘刺し試験、圧縮試験、低温高温時の挙動試験、SD/MD試験など)が行われる。

特にLi電池(単電池)の電気化学的評価をピックアップすると主な評価項目としては

メトロームジャパン

1)CV(サイクリックボルタンメトリ):各電池材料の電気的耐性、電解液・電極の反応を調べる。
2)交流インピーダンス測定:電池内部の各界面の状況を調べる。
3)充放電試験:電池容量の測定、劣化診断などなどが挙げられる。これらの測定にはポテンショガルバノスタットなどが用いられ、電池の容量に応じて以下のような評価装置(メトロームオートラボ; VIONIC)を用いる。VIONIC powered by INTELLO:電気化学測定装置 | Metrohm

3‐3 組電池(モジュール)の評価

EVが自動車として性能を発揮するために、搭載する電池には高出力が求められる。その為には単電池を必要な電圧・電流密度などに応じて並列・直列で複数組み合わせる。この後このモジュールを冷却機構などとシステム化、パッケージにしたもので以下のような評価が行われている。

1)初期の評価:電圧、容量、充放電性能をポテンショスタットなどで評価。
2)使用中の評価:寿命特性など所定の性能が出ているかの評価。
3)リサイクルの為の評価:複数の電池の中で特に劣化が進んでいる単電池を特定する。3)に関しては交流インピーダンス評価などを利用する手法開発が進んでいる。電池の価格はEV全体のコストの大きな要素を占めるため、一部の劣化電池の特定、交換、さらにはリサイクル、リユースを行う技術が実現すれば今後のEVの普及にも大きく貢献すると考えられる。

【(著) メトロームジャパン株式会社】

成形技術のカタログ比較選定・メーカー一覧

自動車加工技術の成形技術に関するカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連する自動車加工技術の成形技術の製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

1.成形技術の自動車向け成形技術の概要

成形技術は色々なもの作りの現場で用いられます。中でも自動車向け部品の製造時に使われ、概要を理解しておくべき工法と原理について、主なものを御紹介します。

1.鍛造

部材に直接物理的な力を加え変形させ、目的の形状を得る加工。日本古来の刀鍛冶の技法もこれにあたる。自動車部品における鍛造は金型を用いる機械鍛造が中心で、他の工法に比べ生産コストはかかるものの高い靭性が得られるのがメリットです。その為、強度を必要とする重要部品の製造等に採用されています。

2.鋳造

古来から金属加工技術としてあった鋳型を用いた加工法をベースとして発展してきた技術。溶解した材料を砂の鋳型や金型等に流し込み、冷やして固めることで目的の形状を得る。複雑な形状の部品も高い精度で生産できる特長があり、大量生産も可能で、自動車部品の製造で広く活用されます。また、小ロットの試作品作成にも鋳造が活躍します。

3.プレス加工

部材を金型に押し当て、プレス機の圧力で希望通りの形状を得る加工。その特性上、大量生産でも安定した品質を得られ、大小様々な部品作りで活用されます。車体やドアの様な大型パーツもプレス加工で作られることが多く、自動車製造の主役とも言える工法です。

4.圧延・押出・引抜

金属やプラスチック等の部材を変形させ、目的の形状を得る加工技術。それぞれの加工に適した金型が活用されます。

5.射出

溶かして液体状になった樹脂系の素材を、金型の内部に注射器の様な要領で注入し目的の形状を得る。自動車部品においては、世界的なEV化、車体軽量化の流れの中、軽くて丈夫な樹脂系素材や炭素繊維素材への置き換えが進み、重要度が増している技術です。

6.その他

他の技術として、レーザー加工や3Dプリンタ技術等があります。金属3Dプリンタは大量生産には向かないものの、試作品や少量生産では既に実用化しております。

2.成形技術の自動車向け成形技術の用途

ここで紹介してきた大半の技術を支えるのが「金型」です。いずれの技術でも、目的の機能を持つ部品を得るため、素材の工夫と共に、できるだけ精度の高い金型を準備することから作業が始まります。かつては職人が手加工した金型も、現在ではCADで設計し、CAMを通してNC旋盤等の工作機械で制作するのが主流となっています。またCADCAM制作の補助としてコンピュータ上で様々なシュミレーションや技術検証が可能なCAEも拡大しつつあります。

シンクリ
【(著) 株式会社 シンクリP・A】

バッテリー(電池)の検査システムのカタログ比較選定・メーカー一覧

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1.バッテリーの基本機能

電池の充電では、外部から電力を注入すると正極と負極で化学反応が起きて、化学エネルギーとして貯えられ、起電力(電圧)が発生します。そこに負荷抵抗を接続すると、両極に充電と逆の化学反応が起きて抵抗値に応じた電流が流れ、エネルギーを放出します。

2.バッテリーの充放電と劣化

ダムの保水能力とバッテリーの充電能力は大変似ています。

ダムに水を一挙に注いでもすぐには満水になりません。また、急速放水をすると底の土砂に浸みこんだ水は使えません。同じように、過度な急速充電(または急速放電)をすると化学反応が追従できなくなり、本来の満充電(または全放電)に至りません。大型ダムが大量の水を蓄えるように、大型(高性能)電池は大量の電気エネルギーを貯蔵します。長年の土砂堆積でダムの保水量が減るように、バッテリーでは劣化で充電(または放電)可能エネルギーが減ります。

バッテリーの健康度をSOHといい、1/(劣化度)となります。

浜松コンピューティング

3.バッテリーの検査

検査項目は、外観、安全性、電圧測定、瞬間放電性能、充電速度、内部抵抗値測定、充電容量等ですが、ここでは充電容量の検査について述べます。

利用者は、現充電量(放電持続時間SOC)と新品時からどれだけ劣化しているか(交換時期SOH)の心配をします。簡易的にテスターで電圧を測りバッテリー状態を見ますが、電圧はダムの水面の高さを見るようなもので、見えない砂の堆積状態は分かりません。

4.容量検査の方法

JISでは、指定電圧に下がるまで定電流(A)で放電して、時間ごとに変化する出力(W)を時間で積分し総放出エネルギーを算出する方法を制定していますが、定電流制御に多くの部品が必要となり、機器が高価になるディメリットがあります。そのため、簡易的にかつ正確に容量測定ができる低価格の定抵抗型測定器が使われる例が多くなっています。この方式は、新品時の容量(放電時間)と比較することにより、また同じ抵抗体を使うことによる抵抗値のばらつきが無くなることにより、定電流放電方式と同等の容量測定(基準値比較)ができます。

図1.では、ダムの水が少なくなると水圧が下がり水量が減るためバルブを開けて同じ水量にする構造が定電流方式で、バルブを無くし出口だけ付けた構造が定抵抗方式です。いずれの方式でも総放水量は同じで、同等の測定ができます。

マイコンを使い正確な終止電圧の制御をして定抵抗型測定器の精度を上げ、秒ごとの電圧をSDカードに記録し総放電量を計算するソフト付き装置もすでに製品化されています。
この原理は、EV車の廃車時の安全放電のために使用することも可能です。

【(著) 有限会社浜松コンピューティング】

LiDARのカタログ比較選定・メーカー一覧

LiDARに関するカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連する自動運転のLiDARの製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

1.LiDAR(ライダー:Light Detection And Ranging)とは

LiDARとは、光の照受により対象物との距離や形状、反射率、相対速度などの情報を取得し、さらに照射する光を掃引するか反射光の方位を特定することで、奥行を1次元目とした2次元、3次元の情報を取得するセンサデバイスです。似た装置としてミリ波レーダーがありますが、LiDARは光の波長を用いるため、高い指向性や収束性を持つことから、カメラのように高い平面解像度を持った奥行情報を得ることが可能です。そのためLiDARは、一般的にミリ波レーダーやカメラなどの他の車載センサと比較し、3次元の空間認識に優れたセンサといえます。

このような特徴から、高度な3次元情報を必要とする自動運転や地形測量、微小な対象物の情報を必要とする気象情報に活用されています。特に、自動運転などモビリティの自律化に必須のセンサの一つといわれています。

2.LiDARの種類

LiDARは“測距”機能と“光の走査”機能で構成されますが、測距や走査の手段は多いため、様々な種類のLiDARが存在します。単に測距と言っても、レーザー光を瞬間的に照射して、対象物に反射され戻ってくる時間で距離を測るD-ToF、周期的にレーザー光を照射し位相のズレから距離を計算するI-ToFなどがあります。また、走査にもメカ式、メカレス式などがあり、その組み合わせを工夫することで、各社が特徴を出し合っています。

京セラ株式会社

3.LiDARの課題と京セラの「カメラ-LIDARフュージョンセンサ

前述した通り構成要素が多いことから、低価格化が難しく、また過酷環境や長期使用時の信頼性や耐久性に強いとは言えないのがLiDAR普及の課題となっており、各社が研究開発を重ねています。

価格や信頼性の解決のため、MEMSミラーやフォトニクス技術を用いたLiDARの開発が進んでいます。特に信頼性について、自動運転や各種モビリティに採用される際は、カメラやミリ波レーダーなど他のセンサとの重畳が必要になりますが、そのためにはキャリブレーション技術が不可欠です。京セラでは、キャリブレーションの根本的な解決のため、LiDARとカメラを1つのレンズでワンユニットにまとめることで視差を無くした「カメラ-LiDARフュージョンセンサ」を開発しました。カメラデータとLiDARデータを統合させるプロセスが非常に容易になり、遅延がなく、車載用として活用できるようになります。 また、車載用として活用するためには、耐久性も大きなポイントとなります。京セラは、これまで培ってきたセラミック技術を駆使したMEMSミラーを用いて、独自のソリューションを開発。これにより京セラ製「カメラ-LiDARフュージョンセンサ」は、実際の走行環境での耐久性が大幅に向上し、自動運転システムに最適な製品へ進化しました。

【(著) 京セラ株式会社】

ミリ波レーダーのカタログ比較選定・メーカー一覧

ミリ波レーダーに関するカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連する自動運転のミリ波レーダーの製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

1.ミリ波レーダーとは

検出可能な情報

・対象物の距離、角度、速度・対象物の微小振動(人の心拍、呼吸、体動)

ミリ波レーダーは暗闇や逆光等の明暗に影響を受けず、雨や霧等の天候に影響を受け辛い特徴を持ち、自動運転技術の進歩に携わるセンサの1つとして注目されています。具体的な電気自動車向け用途として、ミリ波レーダーを自車外部に向けて設置し、他の物体の動向をセンシングする事で、目的地までの自動運行、自動駐車の実現に寄与する事が考えられます。また、ミリ波レーダーを車室内に設置し、乗員をセンシングする事で、ドライバーモニタリングや乗員置き去りセンシングといった使い方も可能です。ドライバーモニタリングの例としては、運転中、ドライバーの体調急変を検出して、アラートを上げたり、より進んだ使い方として、自動運転で安全に車を止めるといった活用方法が考えられます。

用途

・自動運転、運転支援・ドライバーモニタリング、置き去り検知

ミリ波レーダーは他のセンサと比較しても小型化可能、低コスト、低消費電力であるためこの特徴は市場投入に対して大きな長所と言えます。しかしながら、段ボール等、電波が反射しにくい物体(レーダー反射断面積が小さい物体)を検出し辛いという課題があります。

長所

・明暗、天候に影響を受け辛い・小型・低コスト・低消費電力・センサ自体の堅牢性

課題

・段ボール等の反射電力の小さい物体を検出し辛い。ただし、レーダーのハードウェア低雑音化や信号処理の進展により、段階的に解決していく

2.京セラのミリ波レーダー

京セラでは、車両周辺センシングとしてマルチファンクション型ミリ波レーダーを開発しました。79GHz帯の使用により、小型化・高精度検出を実現し、更にアダプティブアレイアンテナ技術と高速レーダーモード切替えにより、従来複数のセンサで行っていた、死角検知・空間検知・ 駐車支援等を一つに統合する事を可能にしました。

また、車室内センシングとして非接触 インテリジェント ミリ波センシングシステムを開発しており、非接触で心拍や呼吸などの生体の振動、様々な物体の振動を正確に検知することができます。(京セラ測定環境/条件で、心電計等との誤差±10%程度) 手のひらサイズの小型化を実現し、デザイン性を求められる車両への搭載性にも優れています。

京セラ株式会社
【(著) 京セラ株式会社】

計測&測定 : 外観検査のカタログ比較選定・メーカー一覧

計測&測定の外観検査に関するカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連する計測&測定の外観検査の製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

1.自動車外観検査の概要

自動車の外観検査には機能を保証するためのものと美観を保証するためのものがあります。機能を保証するための外観検査の例として、電子基板のコネクターの端子曲がりやワイヤーハーネス(電線)の部品の取り付け、アルミダイカストや金属プレスなどの割れや欠けの検査が挙げられます。一方、美観を保証するための検査としてはボディーのキズやへこみ、塗装面のブツ、布のほつれ、革製品の荒れ検査などが挙げられます。

2.自動車外観検査の種類

外観検査には主に人の目による目視検査とカメラによる自動外観検査があります。人の目による目視検査のメリットは、熟練した検査員が経験を駆使して手触りなどを含めた総合的な検査を行うことができることです。一方で目視検査は検査員の疲労による見逃しや熟練の度合いによる検査のばらつきが生じるのがデメリットです。自動外観検査のメリットは大量の部品を短時間で検査したり、一旦ルールを決めたらそのルールに従って昼夜検査し続けたりすることができることです。ただし、決められたルールで検出できない欠陥については人の目には明らかなものであっても検出できないことがあります。そのため、不良モード(発生する可能性のある欠陥の種類)が明確になるまでは人による目視検査を並行して行うのが一般的です。

3.自動外観検査の画像処理

自動外観検査で用いる画像処理には主に手続き型(ルールベース)とAI(ディープラーニング)があります。AIによる自動外観検査は比較的最近取り入れられたものであり、それまでは手続き型の画像処理が主流でした。手続き型とAIの画像処理は原理が異なり、それぞれメリット・デメリットがあります。

4.手続き型画像処理の原理

手続き型の画像処理では、カメラが撮影した画像の画素(ピクセル)の局所的な情報に基づいて処理を行います。例えば良品の画像を撮影しておき、検査対象の画像が良品画像と一致しているかピクセルごとに比較したり、黒い欠陥を検出するために二値化(画素の輝度情報から白と黒に分ける)を行って黒の部分の画素数を求めて判定したりします。手続き型の画像処理は高速に行うことができ、比較的単純な欠陥の検出に向いています。一方で周囲の明るさなどの環境に影響されることがあり、複雑な条件下では期待した正確さで判定できないことがあります。

5.AI画像処理の原理

AI(ディープラーニング)による画像処理は主にCNN(畳み込みニューラルネットワーク)に基づいており、数十~数百の良品・不良品画像を学習することによって判定を行います。

不良個所を学習することによって複雑な条件下、異なる環境下でも欠陥の特徴を的確に捉える学習モデルを生成したり、良品のみを多数学習することによって良品にないものを不良とみなして抽出する学習モデルを生成したりすることができます。手続き型とは異なり、不良を検出するための画像処理の手続き(二値化など)を検討する必要がないため、特別な画像処理の知識が無くても設定を行うことができます。一方でAIによる処理は計算に時間がかかるため、一般的にGPU(画像処理ユニット)を搭載した高性能なパソコンが必要になり、コストが多くかかる傾向にあります。

株式会社スカイロジック
【(著) 株式会社スカイロジック】

リチウムイオン電池のカタログ比較選定・メーカー一覧

リチウムイオン電池に関するカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連する充電機器バッテリーのリチウムイオン電池の製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

はじめに

リチウムイオン電池は、ノーベル賞受賞の吉野彰先生達により1985年頃に開発され、1990年代に携帯電話や小型ビデオ、ノート型パソコンの電源として商品化が進んだ。また、同じ頃に燃料電池自動車(FC-EV)や電気自動車(B-EV)の開発がスタートするとともに、搭載する大容量のリチウムイオン電池の開発が始まる。1)

1.リチウムイオン電池の誕生

初めに充電の出来ない1次電池のリチウム金属電池について記述する。1960年代に米国NASAが高エネルギー密度の電源を必要としたことから電池の研究開発がスタートした。1970年代には民生用のリチウム金属電池が日本で開発され、気象観測用やカメラ用、メモリバックアップ用として広がった。このリチウム金属電池は、正極材料にフッ化黒鉛や二酸化マンガンが使用され、負極材料にリチウム金属が使用された。2)

1次電池のリチウム金属電池を充電可能な2次電池への応用が多くの研究機関で行われたが、負極のリチウム金属部分にデンドライトと呼ばれる針状結晶が生成し、セパレータを突き破り正極側と短絡して発火・破裂事故が多く発生した。この解決策として吉野彰先生達は負極にカーボン材料を使い、正極と負極の間をリチウムイオンがキャッチボール出来るようにした。これが充放電可能な2次電池のリチウムイオン電池である。

2.リチウムイオン電池の特長

①セルあたり3.7Vと高電圧。Ni-MH電池は1.2V、鉛電池は、2.0Vである。

②高エネルギー密度で小型・軽量が可能。リチウムイオン電池の重量エネルギー密度は、100Wh/kg以上であり、鉛電池の3倍以上、Ni-MH電池の2倍以上の数値となる。

③自己放電が少なく、Ni-MH電池やNi-Cd電池のようなメモリー効果がない。

④長寿命で高信頼性。

⑤充放電効率が非常に高い。過充電による余分なエネルギーは電解液の分解(ガス化)、セルの発熱、発火・破裂の危険があり、セル電圧の管理を厳密に行う必要がある。3)

3.色々なリチウムイオン電池

正極材料の違いで分類すると、Co系と呼ばれる電池が最初に登場し、次にMn系と呼ばれる電池が開発され、初期の電気自動車に搭載された。Co系やMn系の良い点を利用したNCM系(Ni、Co、Mnの略。)が登場した。リン酸鉄系(Fe系)と呼ばれる電池もあり、公称電圧が3.2Vとやや低くなる。

負極材料の違いで分類すると、大部分がカーボン材料であるが、チタン酸リチウム材料を使用し、公称電圧が2.3Vとさらに低くなるが、LTO系電池として商品化されている。

形状について分類すると、外装材料がアルミラミネートの場合と缶(アルミ製、ステンレス製)に分けられる。缶については、その形状が円筒型と箱型に分けられる。図1に様々な形状のリチウムイオン電池を示す。

マイクロ・ビークル・ラボ(株)

参考文献

1) 松尾博「二次電池の材料に関する最新技術開発」第15章第1節 2022年6月 技術情報協会

2) 江田信夫、勝山春海「リチウムイオン電池」電池応用ハンドブック第1-2章 2005年1月 CQ出版社

3) 松尾博「リチウムイオン電池における高容量化・高電圧化技術と安全対策」第13章第5節 2018年10月 技術情報協会

【(著) マイクロ・ビークル・ラボ株式会社】

放電のカタログ比較選定・メーカー一覧

放電のカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連する放電の製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

自動車向けの放電技術とは

放電技術の概要

自動車はエンジン、モーター、補器類、トランスミッション等で静電気が発生する他、クーラント、オイルの循環やタイヤの回転、空気との摩擦でも静電気が発生し、物質(気体・液体・固体)がスムーズに動く抵抗になっています。マジ軽ナットは電源を使用せずに帯電している静電気を放電(除電)させる事で各部品がスムーズに動き、エネルギーのロスを減らす放電技術です。

放電技術のメリットデメリット

タイヤは自動車の走り・曲がり・止まるという基本動作の要で、走行安定性に大きく関わる部品です。タイヤにカーボンブラックが配合されている理由は、車体に帯電している静電気を路面に逃がす(放電)とゴムの強化ですが、道路の舗装に使われているアスファルトも合成ゴムやプラスチックと同じ石油由来で、電気を通しにくい物質です。従ってタイヤから路面に流れる静電気の量は少なく、車体に静電気が帯電した状態になっています。

タイヤから路面に放電し切れていない静電気をマジ軽ナットから放電させる事で帯電量を減らす(除電)と、転がり抵抗が減少し、未装着時よりタイヤが少ない力で回転するのでエネルギーが節約出来るだけではなく、ゴムの動きが改善されて振動をより吸収し、乗り心地が良くなります。

自動車は車体のサイズに制約があり、大きな装置は搭載出来ません。省燃費・省電力も求められており、軽量で消費電力が少ない除電方法である他、取付け箇所に応じた耐熱性、耐候性と耐久性も必要です。タイヤ以外でも帯電している箇所の静電気を放電する事で動きや効率が改善されると共に、部品が少ない力でスムーズに動けば、寿命が延びてコストが抑えられます。

静電気の除電は高いコストで何かを足すのではなく、低いコストで無駄を減らす新しい放電技術です。

タイヤに帯電している静電気を放電する“マジ軽ナット”の特徴

1.特許を取得しています→帯電除去装置として2018年に特許を取得しています

2.低コスト→安価で電源が不要

3.小型で効果大→特殊合金製の放電素子で耐熱・耐候性が高く、効率良く放電します

4.取り付け簡単→エアーバルブに取り付けるので工具は必要ありません

5.半永久的に放電し続けて耐久性があり、再使用が可能→エアーバルブの規格が同じであれば再利用が可能です

6.お子様からお年を召した方までの乗り物に対応→自動車用、オートバイ用、自転車用(英式・仏式)、車いす用をラインナップ

トライスターズ テック
 トライスターズ テック
【(著) トライスターズ テック】

熱設計・解析のカタログ比較選定・メーカー一覧

熱設計・解析に関するカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連する解析&シミュレーショの熱設計・解析の製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

1.熱解析の概要

熱解析とは、異なる物質の間や物質の内部を伝わる熱について、現象を記述する方程式をコンピュータ上で解き、得られた結果から対象の温度や熱伝達率などの詳細なデータを分析することにより、対象の伝熱メカニズムをより深く理解する方法です。例えば、電動モータは高速回転化とコンパクト化の研究開発が進んだことでその発熱密度はますます増加していますが、この課題に対して熱流体解析を利用しますと、回転するモータ内部の油や空気の挙動、温度、熱伝達率、部品ごとの伝熱量を詳細に解析できるようになり、効果的な冷却方法の技術開発が可能となります。このように熱流体解析は、電気自動車の開発における要素技術の開発や熱マネージメントシステムの技術開発に深く関わっています。

株式会社ウェーブフロント

2.熱流体解析の用途

熱流体解析は様々な工学的課題の解決に利用されていますが、ここでは特に電気自動車の開発に関連した適用事例を紹介します。

電動モータの油冷却解析

熱流体解析ツールSimerics MP+は、複雑な巻線構造を持つコイル、ロータ、ステータ、インバータなどから構成されるアセンブリに対し計算メッシュを自動生成し、高速回転するロータに合わせて計算メッシュを柔軟に移動変形できます。様々な現象を表現する物理モデルが組み込まれており、流体の熱伝導と対流を解析する熱流体解析、部品内部の熱伝導を解析する固体熱伝導解析、そしてコイルへの油の噴射やロータ周りの油と空気の流れを解析する気液二相流解析を連成させて解くことで、電気モータ全体の高精度な熱流体シミュレーションを実行できます。

油吐出孔の形状や流量、ロータ回転速度、コイル発熱量など、幅広い条件を設定して解析を実行し、得られた解析結果からコイル周りの速度分布や油濡れ面積、熱伝達率分布といった物理量を可視化し、各部品の温度と伝熱量を詳細に把握することが可能です。

ギアボックス(プラネタリ―ギア)の気液二相流解析

ギアの運動に合わせて計算メッシュを柔軟に移動変形させることで、微小な隙間で複数のギアが噛み合う複雑なプラネタリーギアの気液二相流解析が可能です。各ギアの潤滑状態や油膜、油濡れ面積、撹拌抵抗、摩擦損失などの指標により、形状変更がもたらす影響を多角的に評価できます。

株式会社ウェーブフロント

熱流体解析の結果から得られる物質と流体の挙動とその伝熱メカニズムに対する深い洞察をもとに、様々な工学的課題に対する解決策の実施が可能となり、また、試作品の製作や実験を行う前に、初期設計の段階からコンピュータ上で数値実験を行い改良することが可能です。このように熱流体解析ツールSimerics MP+は、現代のEV開発に不可欠なツールとなっており、EV開発プロセスの効率化とコスト削減に貢献しています。

【(著) 株式会社ウェーブフロント】

光(計測&測定システム)のカタログ比較選定・メーカー一覧

光(計測&測定システム)に関するカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連する計測&測定システムの光の製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

1.光計測の概要

近年はカーボンニュートラル社会の実現を目指し電気自動車(EV)化が進んでいます。EV化に伴い車載内装照明は快適性、安全性、デザインの観点から重要な役割を果たします。 また、内装照明のデジタル化によるディスプレイの大型化やLED照明の採用による省エネの効果的な設計と制御には光計測技術が不可欠となっています。

<用途>
ナビゲーション、メーター、スイッチ、マップランプなど

光計測器は様々な機器の明るさや色管理に使用され快適性、安全性、デザイン性の向上など製品開発から不具合管理を支える計測器になっています。電気自動車に使用されているナビゲーションやスイッチなどの照明評価にも重要な役割を果たしております。

2.光計測器の種類

光計測とは光を用いて測定する光応用計測と光パワー計測の2つがあり、ここでは光パワー計測の中の「測光」に関して紹介します。

光は電波と同じ電磁波の一種でありその電磁波は1つの波から次の波までの長さである波長によって分類されます。X線や紫外線、可視光線、赤外線などがありこの中の可視光線が人の目で見える波長の範囲になります。

光パワー計測のひとつである測光とは放射量と測光量にわけられます。放射量とは純粋な物理量であり、測光量は放射量によって人が受けた刺激の量である心理物理量になります。

主な測光量と放射量を表1に示します。

主な測光量 単位 主な放射量 単位
光束(Luminous Flux) lm(ルーメン) 放射束(Radiant Flux)
光度(Luminous Intensity) cd(カンデラ) 放射強度(Radiant Intensity) W/sr
輝度(Luminance) cd/m2 放射輝度(Radiance) W/sr/m2
照度(Illuminance) lx(ルクス) 放射照度(Irradiance) W/m2

車載内装照明明るさは人の明るさに対する感覚量を数値化できる輝度計や照度計などで測定されています。

光束は照明からの光の総量、光度は一方向に強い光の強度、輝度は見ることが目的の光の強度で照度は環境空間の明るさの量をあらわし使い分けされています。

照度はある面への光の照射量(環境空間の明るさの量)であることから距離によって明るさが変わります。輝度は見ることが目的の光の強度で、例えば映画館で映画を観るときに一番前の席の人と一番後ろの席の人では観ている映画の明るさが変わらないのは人が輝度として明るさを感じているからです。

これら輝度を測定できる輝度計には分光方式とフィルタ方式があります(Fig1)。分光方式は測定した光を回折格子で光を分光させ波長毎の分光放射輝度をセンサで測定し、内蔵している人の目の視感度(等色関数)で積分することで輝度の算出が可能な計測器になります。合わせて色度の算出も可能です。

フィルタ方式は刺激値直読方式とも呼ばれ人の目の視感度に近似したフィルタを透過した光をセンサで測定することで輝度および色度の測定ができる計測器になります。

3.利点・欠点

各々メリット・デメリットがあり、分光方式は光を分光させた測定値から内蔵している人の目の感度から輝度・色度を算出していますので精度が高いのが特徴です。フィルタ方式は人の目の感度に近似したフィルタを透過した光を測定するため測定時間が速いのがメリットですが、近似フィルタを使用しているため絶対値との誤差が発生します。 このため絶対値管理の場合には分光方式、相対値管理にはフィルタ方式など使用用途によって使い分けが必要となります。

また、最近ではスポットタイプの輝度計以外にも2Dタイプの輝度計もありこちらの方式も分光方式とフィルタ方式があります。フィルタ方式の輝度計は複数のメーカーから発売されておりますが、国家トレーサブルの取れている2Dタイプの分光方式の輝度計はトプコンテクノハウスでのみ発売されております。

光計測器はEVの内装照明の品質と効果を向上させ、ドライバーや搭乗者にとって快適な環境を提供します。光計測器を活用してエネルギー効率の高いLED照明や省電力制御を実現することで、EVの持続可能性をさらに高めることができます。

光計測器の進歩とEVの普及により、内装照明はより洗練されたデザインと高品質な照明効果を提供し、EVの乗り心地と快適性を向上させる重要な要素となります。

株式会社トプコンテクノハウス
【(著) 株式会社トプコンテクノハウス】

CADのカタログ比較選定・メーカー一覧

CADのカタログ検索・比較選定・メーカー一覧ページです。本ページではEV(電気自動車)に関連するCADの製品カタログ、メーカーをご覧いただけます。各製品カタログの詳細ページでは、概要や仕様の確認、各メーカーへのお問い合わせやお見積り依頼も可能です。EV-techではEV/PHV/PHEVに特化したカタログデータベースを提供することで、検索性を高め、目的の製品カタログをいち早くお探しすることを可能にしております。

1.CADの概要

CAD(キャド)とはComputer Aided Design(コンピューター支援設計)の頭文字から取った略語で、コンピュータを用いて設計図面を作る際に使う、ソフトやシステムを指します。

CAD技術の登場により、あらゆる設計図面がデジタルデータとして作成・保存・印刷などが可能になっただけでなく、コンピュータの高性能化につれて、物理演算を用いた三次元(3D)での設計やさまざまなシュミレーションもできるようになるなど、多様な発展を遂げてきました。

設計図面といえば、製図を学んだ職人たちによって手書きで作られるのがかつての常識でしたが、現代では建築業に限らずものづくり現場の大半で、CADがその役割を担っています。(もちろん、CADソフトの操作そのものは、人間が行ないます)

現在では建築・服飾・半導体といった用途ごとに特化した専用CADが開発されていて、各業界で使用されています。また、CADのデータをそのままNC旋盤などの工作機械に送ることのできるCAMは金型制作に欠かせないなど、CADとCAD関連技術はあらゆる製造業の土台となる技術になったといっても過言ではありません。

2.自動車部品とCAD技術の用途

1.アニメーション動画作成など

3DCGを用いた映像技術は、設計用の技術であったCADとは別のものでした。しかし現在では、CADで設計したデータをそのまま仮想空間内にモデリングし、完成品のイメージ動画を作成したり、他のソフトで使用したりすることもできます。

2.リバースエンジニアリング技術

CAD技術と3Dスキャナを組み合わせ、実物をスキャンしたデータをもとに、精密な図面を得ることも可能となっています。こうしたリバースエンジニアリング技術には、既存の製品をデジタルデータ化して保存する、シュミレーションに活用する、新たな商品開発に用いるなど、多様な活用法が期待できます。

3.流動解析

射出成型などの製造法における問題発生時、または事前シュミレーションとして、金型のCADデータをもとに解析を行なうことができます。EV化が進む自動車業界など、より精度の高い加工を必要とする場面で、効率アップやコストダウンに役立つ技術です。

4.3Dプリンタ

3Dプリンタ技術は近年急速に発展を遂げた技術の1つです。樹脂だけなく金属製品も造形可能となり、CADデータの活用で試作品・小ロット品の低コストかつ短納期での制作を実現しています。


(右図)参考:リバースエンジニアリング事例:スキャン後データからCADデータに変換作業後の作業

シンクリ
【(著) 株式会社 シンクリP・A】